∧∧∧山にまつわる怖い話Part8∧∧∧
『峠』
351 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/04/04 23:37
知り合いの話。
彼はガードレールなど道路施設の整備を生業としている。
峠道で車が谷に落ちた事故があり、その復旧作業をしていた時のこと。
その峠は交通事故が多いことで有名だった。
破れたガードレールを撤去していた彼は、何の気なしにふと下を覗き込んだ。
下は鬱蒼とした森になっていたが、そのここかしこから彼を見上げている白い人影があったという。
はるか下のはずなのに、なぜか一人一人顔の表情まではっきりと見えた。
仲間の大声で我に返る。
彼はふらふらと谷に向かって足を進めていたそうだ。
ぞっとして、それ以降下を覗き込むのは止めたという。
多分、この峠の事故は減らないだろうな。
彼はそう思っているのだそうだ。
『蚊』
352 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/04/04 23:38
知り合いの話。
家族でキャンプしていた時のこと。
頃は夏で、蚊がとても多かったのだそうだ。
彼が火を起こしてると、自分の左手に大きな蚊が止まったのが見えた。
逃がさないよう、素早く叩き潰す。
次の瞬間、叩いた手の下から大量の血があふれ出した。
呆然とする彼の目前で、暖かい血は後から後からこぼれ落ちる。
血の噴出が終わる頃には、彼の足元に大きな血だまりが出来ていたという。
彼の身体に異常は生じなかったが、キャンプ場はちょっとしたパニックになったのだそうだ。
『鹿』
353 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/04/04 23:41
アメリカ人留学生から聞いた話。
彼がまだ幼かった頃、毎年夏になると友人の家族と山小屋に泊まっていたという。
ある日の夕方、彼の母親は森の中を歩いてくる奇妙な姿に気がついた。
雄鹿の頭を持つ男が、山小屋に向かって歩いてきていた。
慌てて彼女は子供と小屋にこもり、しっかりと戸締りをした。
鹿男は小屋のまわりを歩き回り、中の様子を窺っているようだった。
カーテンの隙間から盗み見る鹿男の白いシャツには、どす黒い染みがついていた。
どうやら彼は、鹿の頭部を切り取って自分の頭に被っているらしい。
その手には手斧のような物が握られていたそうだ。
しばらくして鹿男は森の中に去ったが、母子は腰が抜けたようになっていた。
直後に父が仲間と帰ってきたのでこのことを訴えると、ひどく驚いたという。
彼らは小屋にいたる道の上に、頭を切り取られた鹿の死体を見つけていたのだ。
その翌日、彼らは山小屋から引き上げた。
以来、その近くではキャンプをしないことにしたのだという。
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