∧∧∧山にまつわる怖い話Part8∧∧∧
『遭難者の遺体』
27 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/03/27 00:31
知り合いの話。
何年か前に、彼の地元の山で三人組のパーティーが遭難した。
残念ながらしばらく経って、ある沢で全員の遺体が発見されたそうだ。
遺体はほぼ白骨化していたが、骨のあちらこちらに動物の歯型が残されていた。
骸を食べた動物がいるのか、もしくは動物に襲われたのか。
遺体の状況から見るに後者の可能性が高かったらしく、直ちに検死に回された。
検死から得られた結論は意外なものだった。
遺体に残されていた歯型は、そのほとんどが人間の成人男性のものに酷似していると判断されたのだ。
この検死結果は間違いと判断され、結局三人は遭難事故死として処理されたという。
『赤黒い紐』
28 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/03/27 00:32
後輩の話。
地元で山の清掃作業をしている時に、不気味な物を見つけたという。
真白い茸が、赤黒い紐のようなものに沿って群生していた。
茸には大小様々な蛞蝓が取りついて、貪り食べていたそうだ。
道端に退かそうか悩んでいるうちに、赤黒い紐の正体が判明した。
半分溶けかけて、肉が覗いた青大将の死骸だった。
思わずスコップで土ごとすくい上げ、遠くへ放ったという。
このあたりの蛞蝓は、蛇を取るからな。
顔見知りのお爺さんにこの話をしたところ、そう言われたのだそうだ。
蛞蝓は大群で蛇を取り囲み、どうやってか殺してしまうらしい。
死んだ蛇の身体からは白い茸が生えてきて、蛞蝓はそれを食べ尽くすのだと。
三すくみというのは、本当にあるのかもしれない。
そう彼は思ったのだそうだ。
『暗渠の排水管』
29 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/03/27 00:33
同僚の話。
彼が里山を歩いている時のこと。
丸太が埋め込まれた階段の横に、一抱えもある太いパイプが地表に現れていた。
暗渠の排水管が、そこだけ地上に露出しているらしい。
階段を下っていると、横のパイプの上の方から、カラコロと尖った音が落ちてくる。
何か大きな硬い物が、パイプの中を転がり落ちていくようだった。
音は彼を追い越して下っていったが、詰まったのか途中で聞こえなくなった。
その時急に、なぜか彼は様子を窺われているような気配を感じたのだという。
彼が息を殺して立ち止まっていると、再びパイプの中の音が聞こえ始めた。
カラコロカラコロカラコロ
今度の音は、彼の方へ向かって真っ直ぐ駆け上ってくる!
彼の横まで達すると、カツンガツンと耳障りな音に変わった。
まるで、分厚いパイプの肉を破ろうとして暴れているようだった。
動転した彼は階段を飛び降り、野原を突っ切って逃げたのだそうだ。
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