∧∧∧山にまつわる怖い話Part7∧∧∧
『コロビ』
492 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/03/05 01:31
知り合いの話。
その昔、地元で大きな山火事があったのだそうだ。
彼も鎮火に借り出されていたが、火の勢いを止めることはできなかった。
その斜面から撤退して、態勢を立て直そうと決めた時。
真っ赤に染まった林の奥から、悲鳴を上げて近づいてくるものがいる。
逃げ遅れた動物がまだいたのか。
あわてて背後の林を振り返る彼の前に、奇妙な動物が飛び出してきた。
彼の膝ほどの体高で、全身が真っ黒い毛皮に覆われていた。
その身体は丸い大きな球状をしており、顔や手足は見当たらなかったという。
それはピューイピューイと甲高い鳴き声を上げながら、彼の横を勢いよく転がり落ち麓の方へ消え去った。
後にも先にも、あんな奇妙な姿の動物など見たことがないという。
実家の祖母に話すと「コロビがまだいたんだねえ」と言われたそうだ。
『上り坂で靴紐が切れた』
493 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/03/05 01:32
友人の話。
夏山を単独登山していた時のこと。
上り坂で靴紐が切れてしまい、しゃがんで補修していたのだという。
すると、道の上方向からタッタッタと軽快な足音が降りて来た。
こんにちは!おやおや大変ですね、お気をつけて!
よく通る快活な声がかけられたので、彼も返事をしようと顔を上げた。
見渡す限り、道の上にも下にも、彼以外に誰もいなかった。
思わず呆然としてあたりを見回してしまったそうだ。
『岩山に棲む化け物』
494 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/03/05 01:34
先輩の話。
南米のある国に仕事で出かけた時のこと。
ハイウェイを繋ぐ道路の整備が仕事だったそうだ。
現地人の通訳に連れられて、現場の山道を走りながら次のような話を聞かされた。
その国には岩山に棲む化け物がいるのだという。
一寸見ただけでは、普通の岩と区別がつかないらしい。
しかし、近づくと血臭がするのでそれと分かるのだと。
その化け物はゆっくりと時間をかけて高所に登り、獲物を待つ。
下を生き物が通りがかると、その上に転げ落ち、押しつぶして血を啜るのだという。
「だから、落石防止の工事をしてくれるのは、とても嬉しいです」
岩山をジープで揺られながら、通訳はそう笑っていたそうだ。
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