∧∧∧山にまつわる怖い話Part6∧∧∧
『大きな飛蝗』
797 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/02/14 01:08
先輩の話。
アメリカで山に登った時の話だ。
同じ場所でキャンプをしていたアメリカ人と楽しく飲んだのだという。
テキサス出身の男性が、面白い話をしてくれた。
彼曰く、テキサスには昔大きな飛蝗がいたのだという。
何でも牛の代わりに鋤を引かせていたくらい大きかったのだと。
牛を連れて行けない山奥深い開拓地は、この飛蝗を使って耕したのだそうだ。
それを聞いていた別の男性が口を挟んだ。
「俺の故郷のフロリダには、人間を咥えて飛んでいくくらいにでっかい蚊がいたぜ」
きょとんとしている先輩をよそに、皆が大笑いした。
聞くと、この大飛蝗や大蚊の話、どうやらアメリカでは有名な民間伝承らしい。
実際向こうの山は、そういう大きな虫がいても不思議じゃない雰囲気なのだそうだ。
『ビッグフット』
798 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/02/14 01:09
友人の話。
ビッグフットと呼ばれる獣人が、アメリカの山にいると言われている。
友人がアメリカの森林公園に行った時、ビッグフットを見たことがあるというガイドと知り合いになったらしい。
ガイドが言うには、その公園内には蛙が群生している沢があるという。
そこで彼がある仕事をしていると、急に生臭いにおいが立ち込めた。
目前の繁みが音を立てて分かれ、黒い毛むくじゃらの人型生物が現れる。
そいつは彼より頭一つは大きくて、片手に大きな蛙をぶら下げていた。
しばらく睨み合いをした後、ビッグフットは蛙を口の中に押し込んだ。
やらないぞ、と言っているみたいだったという。
身を固くしている彼を残し、獣人は悠然と山の中へ去って行ったそうだ。
だから、蛙の多い場所には人を連れて近寄らないことにしたんだ。
客に何かあったら不味いからね。
最後に、彼はぽつりと一言こう付け加えた。
俺も、もう遭いたくないしな。
『古い鉱坑』
799 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/02/14 01:10
アメリカで山岳ガイドに聞いた話。
森林の奥深くに、手掘りの古い鉱坑がいくつも残っている地方があるのだという。
誰が何を掘っていたのかはわからない。
白人最初の入植者が来た時には、もう既に廃坑になっていたからだ。
インディアンたちも、掘っていた者のことはまったく知らないという。
地元では、金を掘っていたんだろうと言い伝えられている。
しかし坑道の中を確かめに行く者は一人もいない。
新月の夜になると、いまだに鑿で岩を削る音が聞こえてくるからだ。
まるで見つけられなかった何かを探すようで、鬼気迫るものがあるらしい。
彼も耳にしたことがあるらしいが、努めて無視をしたそうだ。
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