∧∧∧山にまつわる怖い話Part6∧∧∧
『里山のお茶屋』
526 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/02/07 01:04
知り合いの話。
彼女と二人で里山を歩いていたという。
少し広くなった峠道に、昔風のお茶屋があった。
彼女の希望で、お茶でも飲んでいこうということになった。
お茶と茶菓子を注文したが、さすがにメニューの大半は今風の物だったそうだ。
店内ではお土産品も売っていたが、片隅に異様なものが置いてあった。
真新しい藁人形がうず高く積まれていた。
お茶菓子を食べ終わると、すぐに店を出たのだという。
肝心のお味の方は、まったく憶えていないそうだ。
『砂かけ』
527 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/02/07 01:05
友人の話。
彼の実家の山村に、まだ小さな火葬場があった頃のことだ。
死人が出るとそこで一晩荼毘に付すのだが、その不寝番にちょっかいを出すものが時々出たらしい。
不寝番の者が酒を飲んでいると、背中から砂をかけられるのだという。
驚いて背後の闇を見渡しても、何も見当たらない。
しつこい時は、一夜に何度も砂をかけられたのだそうだ。
酒でも飲まないと持たないな、と村の老人は笑っていた。
しかし砂かけが現れると間もなく、必ず村には子宝が恵まれていたという。
「砂かけは連れて行った人の代わりを連れて来る」と言われていたそうだ。
今では合同の大きな火葬場ができ、村の焼き場は取り壊された。
もう砂かけも出なくなって久しいそうだ。
『参拝道を一人で登る』
528 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/02/07 01:05
知り合いの話。
彼の地元の山には、古い由緒ある神社がある。
現在は舗装された道路が通じているのだが、昔から使われていた細い参拝道もまだ残されているという。
その旧い参拝道は林の中に敷かれており、奉納された鳥居が延々と並んでいる。
氏子の中には、こちらの道を好んで通る人も多いのだそうだ。
その参拝道を一人で登ると、奇妙なことが起こるらしい。
いつの間にか、自分の横を誰かが並んで歩いているのだそうだ。
見知らぬ人物ではないようで、二人楽しく談笑しながら鳥居をくぐるという。
最後の鳥居をくぐる頃、気がつくとその連れは消えている。
不思議にもつい先ほどまで楽しく話していたその相手を、どうしても思い出せない。
「おそらく悪い類のものじゃないよ。すごく懐かしい感じがしたな」
そう言っていることからすると、どうやら彼も不思議な連れと一緒になったことがあるようだ。
その道を一人で登る氏子は、今でもよく見かけられている。
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