∧∧∧山にまつわる怖い話Part5∧∧∧
『濃いガス』
192 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :03/12/22 01:40
知り合いの話。
彼が高校の山岳部にいた頃の話。
ある山系を三泊四日で踏破するという予定で、夏季合宿に出かけた。
運悪く、初日の昼から濃いガスが出て、足元もろくに見えなくなったそうだ。
とりあえずガスを抜けようと思い、先導役の彼はひたすら前進したという。
途中で道が分からなくなり、どうしようかと悩んでいる時。
唐突に霧が切れ、眼下に見覚えのある小さな無人駅が見えた。
そこは最終日のゴール地点に定めていた場所だった。
四日で踏破する予定の距離を、彼らはわずか三時間と少しで達成していた。
OB会に出るたびにその時の話が持ち出されるそうだ。
皆、いまだに不思議でならないと言っている。
『秋の山』
193 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :03/12/22 01:42
友人の話。
秋の山に一人でこもっていた時のことだ。
朝目を覚ますと、体が何かごわごわした物で覆われている。
慌てて身を起こすと、テントの中に茶色の物体がばらまかれた。
彼が寝ていた寝袋の中に、いつの間にか枯れ葉がぎっしりと詰め込まれていたのだ。
眠りにつく前には、枯れ葉などテントのどこにも無かったという。
不思議なことに、彼が野営したのは針葉樹林の中だったのだが、寝袋の中に入って
いたのは、すべて広葉樹の葉だったそうだ。
『岩の下で野営』
194 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :03/12/22 01:43
私の体験した話。
単独登山中に雨に降られた時のこと。
濡れるのを避けようと、せり出した岩の下で野営することにした。
真夜中に、バシャバシャという喧しい音で目が覚めた。
何者かがどしゃ降りの雨の中を歩き回っているらしい。
目の前で水飛沫が上がったが、足音の主の姿は見えなかった。
それは私の目の前を行ったり来たりし続けていた。
最初は恐ろしかったのだが、だんだんと鬱陶しくなったのを憶えている。
結局、その足音に追い立てられるような形で、私は岩場を出ることにした。
足音がついて来なくなった広場で、ようやく休むことができた。
帰ってきてから、その山系で大規模な崖崩れがあったと知った。
ちょうど私が山に入っていた時期だ。
最初に私が野営していた岩場が崩れたかどうかは、確認していない。
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