∧∧∧山にまつわる怖い話Part4∧∧∧
『赤い火』
840 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :03/12/13 23:33
友人の話。
真夜中に、山中を貫く高速道路を走っていた時のこと。
谷を挟んだ向こう側の斜面に、急に赤い火のようなものが灯ったのだという。
それは黒い山影の中を滑るように動き出し、縦横無尽に飛び回り始めた。
そこいら一帯は針葉樹の深い森になっており、とてもそんなに激しく動き回れるような環境ではないはずだった。
火はしばらく車と並走していたが、やがて素晴らしいスピードで山肌を駆け上り姿を消したのだそうだ。
『遺留品』
841 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :03/12/13 23:35
知り合いの話。
山に入ったまま下りてこない登山者が出た。
当時、地元の青年団に所属していた彼も捜索隊に加わったのだという。
捜索が進むにしたがい、奇妙な遺留品が見つかった。
山道から少し入った林の中で、行方不明者の衣服がきれいに木に掛けられていた。
シャツやズボンだけでなく下着まですべてあったそうだ。
その木の下には、リュックと登山靴が丁寧にそろえて置かれていた。
いくら捜索しても、それ以上の発見はできなかった。
現在にいたるまでその人の行方は不明のままだそうだ。
『奇妙な人影』
842 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :03/12/13 23:36
知り合いの話。
一人山道を下っていた時のこと。
緩やかなカーブを曲がった先に、奇妙な人影があったのだという。
汚れた白いワンピースに腰まである長い黒髪からすると、女性のように見えた。
髪を顔前に垂らして俯いており、表情などは見えなかった。
近づくにつれ、おかしな点に気がついた。
彼女は靴をはいておらず、傷だらけの素足だったのだ。
声をかけようと横に並んだちょうどその時、彼女が顔を上げて彼を見た。
彼女の白い顔はのっぺらぼうで、どこにも穴が開いていなかった。
彼が腰を抜かすほど驚いていると、彼女はおもむろに指を顔に突き立てた。
指を突っ込んだところに大きな穴が開き、ぽっかりとした目と口ができた。
もうそれ以上我慢ができず、彼は走って逃げ出した。
すると後ろから地面を蹴立てて走る音がついてくる!
荷物を放り出して力の続く限り走ったのだという。
追いかけてくる足音は、麓近くまで続いた。
後日、彼は仲間数人に頼み込んで、一緒にその山道を登ってもらった。
彼女は現れず、彼の荷物は投げ出された位置にそのまま転がっていたそうだ。
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