∧∧∧山にまつわる怖い話Part4∧∧∧
『山小屋のノート』
698 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/09 22:42
登山愛好家に聞いた話。
その山小屋の食堂には一冊のノートが置かれていて、
宿泊者は、そこに一言残していく習慣になっている。
冬のある時期にこんな書き込みがあった。
「また、あいつらがやって来た。もう逃げられないのだろう」
「名前を呼びながら小屋の周囲を歩き回っている」
「窓の方は見ないようにしているが、時間の問題だ…」
食堂から見える全ての窓にはダンボールが貼付けられ、
部屋の中央には数枚の布団が積み上げられていた。
実はこの山小屋、冬は雪と氷に閉ざされて閉鎖されてしまう。
春になって小屋を開けに来た男が、食堂の異変とノートの書き込みを見つけ、
慌てて確認したが、外部から何者かが侵入した形跡はなかった。
厳寒の冬、ここの食堂に何が居たのだろう。
『車のドア』
699 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/09 22:44
友人に聞いた話。
夜中に一人で車を走らせていて峠に差し掛かった。
と、突然ひとりでに後ろのドアが開いて、パタンと閉じる。
半ドアだったのか?と思う間もなく、今度はカタンとロックが落ちた。
こわごわルームミラーを覗くが、後部座席には何も居ない。
やがて、山道を下りきった点滅信号の交差点で減速すると、
またもやひとりでにドアが開き、すぐにパタンと閉じた。
『山で迷った』
700 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/09 22:45
山村住民に聞いた話。
ある日、山菜を採りに山へ入って迷ってしまった。
途方に暮れて彷徨っていると、突然携帯電話の呼び出し音が。
こんな山奥で?とも思ったが、山では思わぬ場所に電波が届くこともある。
ディスプレイを見ると圏外だった。番号は非通知。不審に思いながらも通話ボタンを押した。
『……そのままね、まっすぐ下ると道にでるから』
スピーカーから小さな子供の声がハッキリと聞こてくる。
『…ぜったいに、ふりむいちゃダメだよ』
そこで通話が途切れた。
言われた通りに山を下ると、程なく見覚えのある林道に出た。
その間、もちろん後ろを振り向いたりはしなかった。
『ヤナギラン』
701 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/09 22:47
ハイカーに聞いた話。
ある晴れた秋の日、山間の斜面にヤナギランの群生地を見つけた。
紅紫の花や緑の葉が風に揺れてザァァァ~~~と波打っている。
思わず見とれるうちに、一箇所、異様に静まり返っている場所があるのに気が付いた。
風にうねる斜面にあって、そよとも動かずに凛と佇んむヤナギランの一群。
そこを中心にして無風地帯は拡がってゆき、やがて、群生の全ての花が動きを止めた。
次の瞬間、風が一段と勢いを増したかと思うと、花々から綿毛が一斉に飛び立った。
次の記事:
『タツジさん』
前の記事:
『変なお守り』