∧∧∧山にまつわる怖い話Part4∧∧∧
『木の下へ避難』
493 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/03 19:02
村の年寄りに聞いた話。
山中で土砂降りの雨に見舞われ、避難するために大きな木の下へ。
どんよりとして重たげな雲を眺めるうちに、いつしか時の経つのを忘れてしまった。
ふと我に返ると、いつの間にか雨は止んでおり、雲の隙間から薄日が差している。
歩み出そうとして、火のついた煙草を指の間に挟んでいるのに気が付いた。
生まれてこのかた、煙草を吸った事などないのに…
『山主』
494 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/03 19:03
林業指導員に聞いた話。
森林を調査している時のこと。
こみいった話をしている役場の職員と山主に背を向け、目下の森を見下ろしていた。
と…100m程離れたところに少女が一人、ぽつんと薄暗い木立の間に佇んでいる。
一人で遊びに来ている里の子なのか、身に纏った真っ青な着物が遠目にも鮮やかだった。
ちらりと横合いを見て、再び視線を戻す。
すると、目の前に少女が立っていた。
「ここは私の山なんだよ…」
心なしか自慢げな表情でそんなことを言うと、少女はグイっと顔を寄せ、
指導員の体を通り抜けて消えてしまった。
『背中を叩かれた』
495 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/12/03 19:05
杣人に聞いた話。
梯子に登って枝を切っている最中、後ろから背中を叩かれた。
振り向くと、上の枝葉の間から異様に長く毛深い手が伸びている。
肝を潰した杣人が慌てて地上に下りてみると、
ちょうど、近くで仕事をしていた仲間が梯子を下りてくるのに出くわした。
血の気の抜けたような顔で、恐る恐る話しかけてくる。
「お前さんの後ろに手が伸びていただろう?」
杣人が頷くと、仲間の男は曇天の空を指差して言った。
「…その手、雲の中から出ていたぞ」
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