∧∧∧山にまつわる怖い話Part4∧∧∧
『牝鹿』
472 :雷鳥一号:03/12/02 23:50
後輩の話。
小洒落た山小屋を借りて、友人たちと焼き肉パーティーを開いた。
肉を焼く網は小屋に備え付けてあったらしい。
夜中に外で音がしたので様子をうかがうと、どうやら牝鹿が一頭いるようだった。
後輩たちが外に出て近づいても、鹿は悠然と使用済みの網を舐めていた。
その鹿は、額の真中に赤い目がただ一つだけ付いていた。
好きなだけ網を舐めると、奇妙な鹿は満足気に去って行ったそうだ。
『里山を歩いていた』
473 :雷鳥一号:03/12/02 23:51
知り合いの話。
里山を歩いていた時のこと。
いきなり足元の地面が浮き上がり、投げ出されて尻餅をついたのだそうだ。
見ると、黒いゴムシートのようなものが足元で身をくねらせて暴れていた。
どうやら気づかずに踏みつけてしまったらしい。
それは玄関マットくらいの大きさで、厚みは薄手の絨毯くらい。
異様な外見だが、明らかに生きていたという。
それは暴れるのを止めると、薄平たい体を波打たせるようにして移動を始め、
素早く笹薮の中へ姿を消したそうだ。
『一組のパーティー』
474 :雷鳥一号:03/12/02 23:52
友人の話。
子供の頃、ボーイスカウトに参加して山登りをした時のこと。
山の中腹にさしかかった頃、上の方から一組のパーティーが下りてきた。
それを見た引率の教師は、急に緊張したという。
子供たちに、挨拶はするな、下を向いたまま顔を上げるな、という指示が出た。
彼らは意味も分からず、じっと下を向いていた。
そのパーティーは奇妙なことに何の反応も見せず、すぐ横を通り過ぎていく。
プンとした悪臭が匂ったそうだ。
パーティーの足元を見ると、何人かは靴が腐り落ちて裸足同然な状態になっていた。
剥き出しになった足は、むくんでどす黒い色になっていた。
彼がボーイスカウトで不思議な体験をしたのは、これが最初で最後だったという。
あれは一体何だったのか、今でも不可解だそうだ。
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