∧∧∧山にまつわる怖い話Part3∧∧∧
『花粉症』
834 :雷鳥一号:03/11/24 10:58
私の体験した話。
春先に、人里離れた山中で道路工事のバイトをしていた。
まわりは杉の森林で、杉花粉がまるで黄色い雲のように見えていた。
ネコと呼ばれる手押し車で土砂を運んでいた時に、視線を感じた。
杉木の天辺で、白装束姿の老婆が背筋をピンと伸ばして立っていた。
無表情にこちらを見ている。
次の瞬間、大きなくしゃみが出て咳き込んでしまった。
再び目をやると老婆の姿はもう見えなかった。
花粉症でなかった私は、その後一年間だけ花粉症を患った。
『山中の道路で休んでいた』
835 :雷鳥一号:03/11/24 10:59
知り合いの話。
営業の仕事をしている彼は、その時疲れが溜まっていたらしい。
仕事の合間に、山中の道路で車を止めて休んでいた。
うとうとしていると奇妙な夢を見た。
山から巨大な蛇が下りてきて、自分の身体の中に入り込んだそうだ。
それから車を運転し始め、知らない別の山中の道路に分け入っていく。
その山の中腹で車を止めると、蛇は身中から這い出て山を登っていった。
そこで目が覚めた。
変な夢だったなと思い、あたりを見渡してみた。
車が止まっていたのは休んだ場所とは違う山の中だったという。
『山の手入れ』
836 :雷鳥一号:03/11/24 11:00
同僚の話。
親戚が山を持っていて、その手入れをするというので呼ばれた。
下生えを刈ったり倒木を片付けたりしていると、小さな稲荷社に気がついた。
木立に覆い隠され苔生していたのを気の毒に思い、きれいに片したのだという。
ついでに弁当を少し分けて、お備えしてから帰ったそうだ。
その日の夜半、彼は動物の甲高い鳴き声で目を覚まされた。
なぜか聞いたことも無いのに、狐の声だと分かった。
後日聞いてみると、掃除に参加した親戚全員が夜中にその声を聞いたそうだ。
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