∧∧∧山にまつわる怖い話Part3∧∧∧
『声が大きい』
663 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/11/18 22:41
測量士から聞いた話。
その測量士は声が大きいことで有名だった。
そんな彼が雪山で測量をしていた時の話。
ポールを持って立っていると、背後の樹上でガサガサと音がする。
見上げても何も見えない。が、彼が移動するとまた背後の木から音がする。
そんなことを繰り返しながらも測量は進んだ。
長めの距離を測りはじめた時、死角に入った彼に対して相方が呼びかけた。
とっさに自慢の大声で返事をする。
「おぉ――――いッ!」
ドサッ
背後で何かが落ちる音がした。
慌てて振り返ったが何もいない。
ただ、雪面に人型の跡だけが残されていた。
『違和感のある池』
664 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/11/18 22:42
同じく測量士から聞いた話。
池のほとりで人を待っている時、何気なく見た水面に強い違和感を覚えた。
風はあるにもかかわらず、気味が悪いほどに凪いでいる。
測量士は岸辺に近寄り、両手で水を掬い上げた。
ぷるんとした手触り。掌の上で煮こごりのような水がふるふると震えている。
その時、待ち人の乗った車が現れてクラクションを鳴らした。
とたんに水は形を失って掌から零れ落ち、水面にサーッとさざ波が走った。
『まん丸な月』
665 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/11/18 22:42
炭焼き職人に聞いた話。
夜中に火の番をしていてふと空を見上げた。まん丸な月がいつになく大きく見える。
それをボンヤリと眺めるうちに妙なことに気がついた。
風に流された雲が月の後ろを横切ってゆく。
「狐か何かが悪戯しているんだろう」
それ以上深く考えることもなく、朝まで火の番を続けたそうだ。
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