∧∧∧山にまつわる怖い話Part3∧∧∧
『山中の河原に野営していた』
525 :雷鳥一号:03/11/16 02:07
友人の話。
渓流釣りに行き、山中の河原に野営していた夜のこと。
竿の手入れをしていると、焚き火の向こう側に何かがいるのに気がついた。
姿形はおぼろ気ではっきりと見えないが、不思議にも恐いとは思わなかった。
それはじっとこちらを見ていたが、やがてその竿をくれと言ってきた。
彼は少し考えて、恋人と引き換えならあげてもいいと答えた。
するとそれはついて来いと言い、立ち上がって歩き出した。
素直についていくと、しばらくして崖がオーバーハングしている場所に出た。
娘が一人、遺書と書かれた封筒と薬の瓶を持って倒れていた。
慌てて道具を投げ出し、介抱したそうだ。
気がつくとそれは姿を消してしまっていた。
いつの間にか、釣竿が二本と魚篭が一つ失くなっていたという。
一本は鮎竿でかなり高価だったらしく、かなり落ち込んだそうだ。
その時助けた娘さんは、現在彼の奥さんになっている。
『山奥の獣道を歩いていた』
526 :雷鳥一号:03/11/16 02:08
知り合いの話。
人里よりかなり離れた、山奥の獣道を歩いている時のことだ。
少し先の地面に、いきなり空から勢いよく突っ込んできた物がある。
どすっという重い音が響いた。
驚いて駆けよると、野球で使う硬球であった。
手に取って空を仰いだが、わずかばかりの雲が流れているだけだった。
『キャンプ場のトイレ』
527 :雷鳥一号:03/11/16 02:11
知り合いの話。
シーズン外れの山歩きで、キャンプ場に一人だけで宿泊したそうだ。
水場ときれいなトイレが設置してあるのがありがたかった。
夜中に我慢ができず用を足しに行った時のこと。
しゃがんでいるとドアがいきなりノックされた。
恐る恐る外に出たが、人っ子一人いなかった。
彼は夜明けまで一睡もできなかったという。
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