【夜勤者】夜勤で体験した怖い話【集え】
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196 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/08/27(木) 14:01:34.23 ID:ut8v85o+0.net
先程話した撮影スタジオでの徹夜作業中の事。
そこのスタジオは元々作業中に黒い影を目撃したとか、猫や子供を見たとか、声を聞いたとか、
そう言う話をよく聞くスタジオでした。
でも、アニメの撮影なんて遅番と早番に別れて24時間フル回転の職場なので、
徹夜ハイや過労ハイで幻覚見たり幻聴聞いたりしてるんだろ、みたいに社員はみんな納得していました。
その時も某アニメ映画の撮影の手伝いで、
「初号に間に合わねー」と言いながら、皆でヒーヒー言いつつ暗い部屋で撮影してました。
眠い目を擦りながら、丁寧にエアーでホコリを除去して1枚1枚、1コマ1コマ撮影をする。
呪文の様に撮影指示表を読み上げる撮影助手。セルの擦れる音とシャッター音の向こうで微かに聞こえるFMラジオ。
長時間の立ち仕事の疲労も相まってある種のトランス状態になっていたのかもしれません。
千と千尋の●隠しの、八百万よ神様達が日暮れに湯宿に集まってくる時の描写の様に黒い影半透明の影が、
壁から天井から床からと、スゥっと湧き出てきました。
197 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/08/27(木) 14:08:07.24 ID:ut8v85o+0.net
けして広くはないその撮影室に、
虫程に小さな影からチェホンマン並に大きな影まで沢山の影が、声にならない声を発しながら次々と湧いてきます。
たまらず私が、
「○さん(←撮影スタジオの古株カメラマン)、私、ちょっと疲れてきたみたいです。幻覚と幻聴ヤバイです。
お腹空きました。休みませんか?」
そう声を掛けると、「奇遇だな、俺もだ」と○さんは答え、
他の撮影台の人達も、
「こっちも休むか」「おい、幻覚ヤバイから足元だけ見て部屋出るぞ。ゆっくり静かに歩け」と言い出しました。
影が増えるにつれて部屋はどんどん寒くなるし、変な声はどんどん大きくなって視界は歪むし、
空気はバタークリームみたいにまとわり付いて重い。
寒いのに汗だらだらかきながら「落ち着いて静かに進め」と言う○さんに従ってガクブルで出口へ向かうと、
突如勢い良くドアが開いて、社長が差し入れを持ってきたぞと笑って言いました。
で、次の瞬間。
いきなり社長が鬼のような顔になって、「仕事の邪魔してんじゃない!」と部屋の中に向けて低い声で怒鳴ると、
パリーン!と、ガラスの割れたような音と共に黒い影達は消えて無くなりました。
途端に、いつの間にやら聞こえなくなっていたラジオは鮮明に聞こえ出し、震える位の寒さも無くなりました。
何が怖かったって、普段ニコニコした顔しか見た事のない社長の鬼の様な顔が一番怖かったです。
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