【夜勤者】夜勤で体験した怖い話【集え】
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115 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/08/22(土) 21:37:42.25 ID:gsj4RgR8O.net
自分が以前勤めていた会社の事務所は、古い雑居ビルにありました。
そのビルでの話。
「ここのビル、夜遅く階段使ってると、変な時があるよ」と同僚の益田さんは言った。
階段室にいると上から、または下から誰かがやってくる足音がするという。
こんな遅くまで他でもまだ残ってる人がいるんだ、と思っているとその足音はどんどん近づいて来て…
足音だけが通りすぎてゆく。
姿は見えない。ただ、何かの気配がすぐそばを通りすぎ、足音が遠ざかってゆくのだという。
「こないだなんか、階段を下りてたらやっぱり足音だけが追い抜いていってさ。
気味が悪いと思いながらやっと一階に来たら…階段室と一階玄関の電灯が一度にパンッ!と消えてさぁ。
もうびっくり。チビりそうになったよ」
その話に他の同僚たちが、ヤだなやめてよなどと言っていた。
しばらく後、夜遅くにやはり同僚の村松さんは、
得意先から商品交換で引き取った、古いデスクトップのパソコンモニタと本体を持ち帰ってきた。
モニタと本体を営業車から下ろし、台車に積んで六階の事務所の物置に入れようと、エレベータを使おうとした。
が、ビルでひとつしかないエレベータの扉には、無情にも『故障中・使用禁止』の貼紙が貼られていた。
「うわ。ちょっとぉー」
村松さんは舌打ちした。
今のパソコンはモニタも本体もずいぶん小型軽量化されているが、
少し前のパソコンはモニタもブラウン管式で、男性の手でも持ち運びは大変だった。
重くてデカいパソコンを六階まで手で運ぶなんてまっぴらだ。車に積んでおこうかな、と村松さんは思った。
116 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/08/22(土) 21:38:42.16 ID:gsj4RgR8O.net
しかし翌朝は一番で部長が車を使うと言っていた。部長に文句を言われるのも…
村松さんはため息をつき、まずはモニタを抱えて階段を上りだした。
しばらくすると、背後から足音が聞こえてきた。
はじめは気にもしなかったが、ゆっくり目の足音がどんどん近づいてくるにつれ、
村松さんは益田さんの話を思い出し、怖くなってきた。
まさか。他の誰かだろ。
自分にそう言い聞かせ、さっさと六階まで上ろうとした。
その間にも足音はどんどん背後に迫っていた。
カツン、カツン…
村松さんは後ろを振り返った。
誰もいなかった。
うわぁ
村松さんはモニタを放り出して逃げたくなった。
カツン
足音は村松さんのすぐそばで響いて、ずわぁっと村松さんの中を何かが通って行った。
「……!」
村松さんは声になっていない悲鳴を上げ…モニタを落としてしまった。自分の右足の甲の上に。
階段室に村松さんの絶叫が響いた。
「それから?もちろんちゃんと運んだよ。モニタも本体も。部長に文句言われるの嫌だもん。
モニタの角は割れちまったけどさ。まぁあれはどうせ廃棄するやつなんだし」
村松さんは労災を申請し、しばらく足をひきずっていました。
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