霊体験だ!!と勘違いした恐ろしい話。その3.1
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俺と俺の友達4人が、近所に住む一人暮らしのお婆さんの引越しの手伝いをするように頼まれた時の事。
屋根裏部屋を整理しようと入った俺は、部屋の角に妙なものをみつけた。
ちょうどカドにある物を隠すように、部屋の一角が床から天井まで一枚の板で不自然に塞がれている。
何かな?と思った俺は友達を呼び、全員でその板を剥がしてみようという事になった。
「せーの」で板を引っ剥がした。
ギャアァァァァ!!!!
少しの沈黙の後、全員悲鳴をあげながら屋根裏部屋を飛び出した。
外に出てようやく落ち着いた俺たちは口々に、「ガクランを着た男が座ってたよな」と言った。
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落ち着きを取り戻し、再び屋根裏部屋に戻って少年がいた方向を見ると、確かにガクランを着た少年がそこに座っていた。
体育座りをして、深々と学帽をかぶって、うつむきがちな少年だった。
俺が恐る恐る近寄ると、後ろから友達の一人が言った。
「なんだ、人形じゃん」
その一言に安心し、俺は近寄って確かめてみた。
確かに布でできた肌の、決して良い出来ではなかったが…だいぶ古い人形だった。
「でもどうしてこんな所に?」
という疑問だけが残り、動かすのも気味悪いので一先ず下へ下りることにした。
近所のおばさんが手伝いに来てくれた時、その人形の正体が発覚した。
戦時中、息子を持つ母親達の中には、どうしても子供を戦場へ行かせたくないという想いから息子を隠す人もいたらしい。
おばあさんも息子を隠してその場をやり切ろうとしたが、そんな手段が通るはずも無く、
呆気なく見つけ出されて息子は連れて行かれてしまい、後に戦死の知らせを受ける。
その時からおばあさんの中で何かが壊れてしまったのか、
息子に似せた等身大の人形を作って息子のガクランを着せ、ずっと屋根裏の角に隠していたとの事だった。
発見した時はマジで幽霊かと思っておしっこ出そうだった。
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