∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part78∧∧
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『古い大きな弓』
129 :雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM @\(^o^)/:2015/08/01(土) 19:34:37.83 ID:t1KlY65y0.net
友人の話。
彼の実家の床の間に、古い大きな弓が飾られてあるという。
「そんなに古い物でも由来がある物でもない。
何せ俺の祖父ちゃんが自分で作ったらしいからな」
この弓が時折、独りでに音を立てるそうで。
「最初に見つけた時は驚いた。
どこからかヒューン、ビューンっていう音が聞こえるんで出所を探すと、床の間の弓に行き着いたんだ。
寄ってみると弦がこう、ビンビンと震動してた。
まるで見えない指にでも弾かれているようにね」
「現実的に考えると、何かの震動を拾って共振していると思うんだけど。
こんな山奥の田舎で、一体何の音を拾っているかはわからんけどね。
家の者は誰も気にしていないんだ。
まぁ元々、実家の裏山に生えてた御神木の枝を掃って作った物らしいし、 御利益があっても悪いことはないだろうさ」
……御神木って何だよ? あぁそういや君の実家って……
……まさか無断で掃ってないだろうなぁ……
瞬時に色々なことを考えたが、一々確認することはしない私だった。
『猟師の葬儀』
130 :雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM @\(^o^)/:2015/08/01(土) 19:35:29.73 ID:t1KlY65y0.net
知り合いの話。
猟師を長く務めていた彼の曾祖父、その葬儀でのこと。
火葬場で納骨する際、お骨と遺灰に混じって、何やら丸い小さな粒が沢山見つかった。
金属の玉みたいだが、数十個にものぼるその正体が家族の誰にも見当が付かない。
かつての猟仲間だった老人がポツリと言った。
「鉛玉だな。昔は皆、こういうのを自分で作って使ってたモンだ。
まぁ、このお人は特に業が深かったからなぁ」
曾祖父は腕が良く、他の猟師が呆れる程、沢山の動物を殺めてきたらしい。
遺族は鉛玉を骨壺には納めず、別口で供養してから山に埋めたのだそうだ。
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