海・山にまつわる怖い話・不思議な話 3
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1570421067/
『網の中』
204 :本当にあった怖い名無し:2020/01/15(水) 23:45:01.66 ID:0K+4/yJv0.net
石じじいの話です。
じじいの海の友人が話してくれた海の話です。
以前、腐った魚でいっぱいの網が海を漂っていた、という話を書いたことがあります。それと似ています。
漁に出て網を引き上げた時に、それがものすごく重いのです。
引き上げられないほど重い。船がひっくり返ってしまうほどです。
海面まで引き上げたところ、その網の中は魚でいっぱいでした。大量です。
しかし、よく見ると、知った魚が一匹もいない。
網の中は、見たこともない魚?でいっぱいでした。
そこには、魚のような生き物以外にも、エビのような生き物、クラゲのような生き物、が含まれていました。
「のような」というのは、どれも形が異様なのです。
ヒレば全く無いものや、逆にたくさんあるもの、たくさんの鋭い歯を持つもの、手足のある大きなイモリのようなもの、
殻を持つヒトデ(原文はこうなっています)のようなものなど、など。
網の中からは、ギリギリ、というような音(鳴き声)もしてきます。
船にあげたくないものばかりです。
これは、とても持って帰れないと思いました。
儲かるかどうかわからないものに金をかけられないし、何か不吉です。
全部捨てて帰ったそうです。
あんなにたくさんの生き物が網にかかったこともなかったし、あんな奇怪な生き物を見たこともなかったのです。
深海魚かとも思ったそうですが、まったく見たこともないし、水圧の違いで膨れてもいなかった。
次の漁の時に、お寺からお札をもらって、沖でお経を唱えて流したそうです。
『かんのんとう』
211 :本当にあった怖い名無し:2020/01/16(木) 21:27:57 ID:Xb89/ecV0.net
石じじいの話です。
ある山で、石を運び上げている人に出会ったそうです。
その男性は、一抱えもある石を背負って、山を登っていました。
行き当たったじじいは、挨拶をして、二人は山道の脇でいっしょに休憩することにしました。
何のためにそのような大きな石をどこに運んでいるのか?と尋ねたら、その男性は、
この山の山頂まで運び上げて「かんのんとう」(観音塔?あるいは観音堂の聞きまちがい?)を作るのだ、と。
そこは険しい山だったので、じじいはその労力の大きさに驚きました。
どのくらい続けているのだ?と問うと。
もう、二十年以上になる、と。
男性は、この「かんのんとう」ができると、世界が平和になって、みんなが幸福になるのだ:と言います。
このように大言壮語をする男性は、ちょっと頭がおかしいのではないか?とじじいは疑いました。
男性が運んでいる石は、山の麓の河原にしか無い白い流紋岩で、表面に墨で文字が書かれていたそうです。
休んだ後、ふたりとも先を行くことになり、男性は石を背負おうとします。
大変そうだったので、じじいはそれを手伝ってやりました。
男性は、自分はゆっくりとしか登れないから先に行ってくれ、というので、じじいはその男性と別れて先を急ぎました。
じじいは山頂を訪れる予定はありませんでしたが、男性の話に興味を持ったので、山頂まで行って見ることにしました。
山頂には石積みがありました。
かなりの高さに積み上げられていて、これは大変な仕事量です。
どこまで積み上げたら「完成」するのか?
この石を積み上げたら、完成なのか?これは単なる石材にすぎないのか?
じじいは呆れたと同時に、その男性の崇高(?)な意志にちょっと感動しました。
まだ、戦争の記憶と爪痕が残っていた時代だったのです。
じじいは持っていたミカンをその石積みの前に供えて、山頂を後にしたそうです。
次の記事:
『寝言に返事』『夜の天理ダム』
前の記事:
おーぷん2ちゃんねる まとめ6