海・山にまつわる怖い話・不思議な話 3
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35 :本当にあった怖い名無し:2019/10/14(月) 16:05:49.67 ID:WjcSQtke0.net
石じじいの話です。
メモから海の話をいくつかまとめました。
じじいは海で活動したことはありません。石を探して海岸を歩くことはありましたが。
海岸で遭遇した怪異についてはいくつかの話を書きました。
じじいには漁村に友人が多かったので、遊びに行ったり作業を手伝いにいったことは多くあり、その時に見聞した海の話をしてくれたことがあります。
それらの話の中から、友人の漁師さんが話してくれたものです。
舟で漁をしていると、突然、濃い腐敗臭が漂ってきたそうです。
ものすごく臭く、甲板で嘔吐しました。
海面を見ると、近くに大きな網が漂っていたそうです。
それは非常に大きな網で、中に魚やイルカの死体がいっぱい詰まっていました。
それが強烈な悪臭を放っている。
こんな大きな網をトロールする船など、その近海域にはいないはずです。
その網は、流れ去ったそうです。
夕方に漁をしているとき、西側から大きな波を舟に受けたそうです。
じじいの地方では地理的に、近海で漁をする時は東に陸地が西に海が広がっていたのです。
真っ赤な夕陽が舟を照らしていました。
非常に大きな波で、これは危険だということで波に向かって船首を向けました。
迫ってくる高波のなかを赤い夕陽が通して射して来た時、黒々とした巨大な魚の影が波を透けて見えたそうです。
それは、太刀魚のような長い形をしていました。
幸い、その巨大な魚は舟に衝突することはありませんでした。
その日は不漁だったそうです。
36 :本当にあった怖い名無し:2019/10/15(火) 18:07:19.82 ID:Zp08EYrE0.net
石じじいの話です。
海の話をつづいて。
朝方、漁から帰って着た時、濃霧にあって港に近づけず、晴れるのを待っていました。
霧の向こうから、黒い影が舟に近づいてくるのに気がつきました。
それは、黒いコートを着て、海面をふらふらのしながら歩いて来たそうです。
舟に乗っているわけではなく、海面に直接立っていました。
それがどんどん近づいて来ます。
声をかけることはためらわれました。
肝をつぶして待ち構えていましたが、それはブイ(浮き)だったそうです。
ブイにコート(服)がひっかかっていたので、人間のように見えたのです。
ほっとしたのですが、なぜブイにコートがかかっていたのか?と疑問におもったそうです。
船の周りを小さな鳥が数千羽がとり巻いて時計回りにとびまわったことがありました。
1時間ほどそれが続いたあと、鳥たちは次々に落下してきました。
ほとんどは海面に落ちて漂いましたが、甲板に落ちたものもたくさんいました。
皆死んでいて、動かなかったそうです。
漂流する筏に出会ったことがあったそうです。
それは竹を組んだもので、帆が立っていました。
粗末な木箱のようなものが積んでありましたが、人は乗っていませんでした。
10分ほどのできごとで、筏は流れに乗って船と行きすぎました。
「なんのために、あがいな筏で海に漕ぎ出したんやろ?のっとった人はどうがいなったんぞ?」
最後の話は、「メアリーセレスト号事件」のようですね。規模は小さいのですが。
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