海・山にまつわる怖い話・不思議な話 2
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130 :本当にあった怖い名無し:2018/10/03(水) 01:15:10.46 ID:x05JGA5/0.net
石じじいの話です。
定職を持たないじじいは農繁期には、近くの農家の仕事を無償で手伝っていました。
いくらかの現物(野菜や米など)をもらっていたのでしょうけど。
ある年、真夏に田んぼの草取りをしていていました。
その田んぼの持ち主(農家)は、畑や田んぼ、庭に蛇を見つけたら、必ず殺していたそうです。
クワや石で叩き殺すか、鎌で斬り殺す。
じじいは、そんなに殺生をしなくても、別に毒蛇でもないのに、と思っていたそうです。
もちろん、毒蛇(マムシですね、田舎では「ハメ」と読んでいました)はじじいも殺していました。
私も何匹か殺したことがあります。あれはかなり危険。
その草取り作業をしていると、田んぼの中で近くを人が通り過ぎました。
泥の中をずぶずぶと。
うつむいていたじじいは、そのズボンの色柄で、その田んぼの持ち主だと思い、
「暑いな、あつけしなさんなよ」と言って、その人を見みあげましたが。
たしかに、その持ち主でしたが、その人の顔が奇妙だったそうです。
131 :本当にあった怖い名無し:2018/10/03(水) 01:16:16.05 ID:x05JGA5/0.net
麦わら帽子をかぶっていましたが、その頭には耳がなかったそうです。
耳たぶどころか耳孔もない。
そして、顔を見ると、目にまぶたが無かったそうです。
ほかは普通。
もちろん、その人はそんな異形の人ではありませんでした。
その人は、じじいを無視してずんずんと田んぼの中を歩いていって、田んぼから出てあぜ道を通って自分の家の方向に帰っていきました。
普段は、そのような振る舞いをするような人ではなかったのと、その奇怪な顔つきとでじじいは嫌な感じがしたそうです。。
その後、作業が一段落してその人の家で会ったときには、いつもの顔に戻っていました。
見間違いではないと確信していましたが、気の迷いだと無理やり納得したそうです。
このことを、町の中学校の理科の先生(じじいの友人でアドバイザー)に話したところ、先生はじじいに言ったそうです。
「蛇にはな、耳もまぶたも無いんで」
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