海・山にまつわる怖い話・不思議な話 2
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64 :本当にあった怖い名無し:2018/09/21(金) 19:42:04.23 ID:LPLugedj0.net
石じじいの話です。
メモから断片を:
(1)じじいは山を歩いているときに、雛人形人セットが打ち捨てられていたのに行きあたったことがあるそうです。
それは本格的なフルスタッフのもので、それがシダの茂みの上に乱雑にばらまかれていた、と。
全部の人形が髪を振り乱していたのが怖かったとか。
かなりの山奥で、道もほとんど無い場所だったので、なぜそれがあるのか不思議だったと。
雨のあとで、湿った滴るようなシダの緑と緋毛氈の色とのコントラストが印象的だったそうです。
(2)じじいは、「小人」に襲われたことがあるそうです。
山を歩いていると、正面からガサガサと音をたてて長さ1尺に満たない黒い人間が走ってきて、じじいに飛びかかってきたそうです。
じじいは、構えていた山歩き用の杖を振り下ろして、その黒い小人をはらい落としました。
かなりのジャンプ力だったと。
地面に叩き落とされた黒い小人は、すぐに起き上がって走り去ったそうです。
「それは、リスかムササビやったんやないかな?」私
「いや、あれは人やったで。両手両脚を広げてな、わしに向かって飛びかかってきたんで。二本足で走りよったけん」
65 :本当にあった怖い名無し:2018/09/21(金) 19:43:59.54 ID:LPLugedj0.net
(3)じじいが長い間親しく付き合っていた、石探しルートの近くに住んでいた家族が全滅したことがあったそうです。
1年ぶりにその家を訪れていると誰もない。家が無人になって庭も荒れている。
近く家の人が言うには、(じじいが最後に訪れたときから)半年くらいの間に、六人の家族全員が病気や事故で死んでしまったと。
近くの寺に墓があるというのでお参りに行ったら、その家の墓に、たくさんのまあたらしい卒塔婆が林立していたそうです。
(4)じじいは、稲わらで縄を編むことができて、わらじも器用に自分で作っていました(まあ、農家では今でもそうなのかもしれませんが)。
地下足袋の上にわらじをはいて沢を歩くと、濡れた石の上で滑らないのだそうです。
編んだ縄をハサミなどの刃物を使わないで指だけでぷつっと切っていました。
こう書いていると、畑仕事の休憩でタバコをふかしていたじじいの姿を思い出して、ちょっとおセンチになってしまいました。
じじいの年齢に近づいて、私の記憶もだいぶ薄れてしまっています。
じじいの家の庭にあった柿は甘かった。
器用に皮を向いて柿を食べさせてくれましたが、「渋柿が混じっとるけん、きいつけんさいよw」というのがじじいの決まり文句でした。
渋柿の木などないのに。
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