【新】海・山にまつわる怖い話・不思議な話 1
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『そこに行くと死ぬ』
605 :本当にあった怖い名無し:2018/05/29(火) 12:12:03.11 ID:I3FbLpHN0.net
石じじいのはなしです。
石じじいが訪れた村の近くに、そこに行くと死ぬことがある、という場所があったそうです。
以前のトンネルの話と似たようなものです。
そこには、村人は恐れて安易に近づきませんでした。
ただ、村人が絶対に、まったく行かないかというとそうでもない。
近くを通ることはあったそうです。
しかし、子供がそこに行くことを厳に戒めていたということです。
そう言われていても、さすがに子供、ごくたまに遊びに行った子供がしばらくすると高熱を出して死ぬ、ということがあったと。
医学治療のおぼえがあったじじい曰く:
『あれは破傷風やったんかもしれんね。限られた場所にばいきんがおったんやないかなあ。
子供はあそんどったら擦り傷なんかするけん、それで感染したんかもしれんで』
『かすべ』には宗教的な観点はまったくありませんでしたw
野外で作業したり、山歩きなどをする人は容易に理解されると思いますが、
開けた、空気の動きの大きな野外では、普通の蚊取り線香では虫除けの効果は少ない。
かすべを複数用意して、作業している場所(山のなかや畑)で、まわりに間隔を開けておいておきます。
もちろん置く場所は綺麗に草などを刈って取り除いて、土の状態にします。
山野を生活の場にしているひとのほうがかえって、山の魔のものの存在については否定的でした。
彼らは日常的に山の現象に接していたのですから。
むしろ、そのような自然を知らない町(都会)の人のほうが、神秘を想像で感じて、「それらしいおはなし」を作ってしまっていたようです。
そのほうが知識と経験のない人にとってはわかりやすいから。
『忘れ得ぬ人』
620 :本当にあった怖い名無し:2018/05/31(木) 11:56:34.47 ID:/VxmCgFn0.net
石じじいの話です。
みなさんには忘れ得ぬ人はいますか?
じじいが子どもの頃。戦争のずっと前。
じじいの部落の近くに片腕で炭焼きをやっている男性がいたそうです。土佐から移り住んできた人だったとか。
彼は左手首がありませんでしたが、片手でナタをもって木を割ったり、器用に仕事をこなしていたそうです。
独り者だったので、生活もすべて片腕でこなしていたのでしょう。
明るく気さくで身持ちの良い人物だったので周りからも好かれていました。酒もタバコもやりませんでした。
噂では、「彼は、他人のために、自分の手首を自分で切り落としたのだ」ということだったそうです。
曰く:暴漢に襲われた人を助けるために闘って負傷したのだ;他人の借金を返すためだ(どういう理由で?);病気の人を看病していて、その病気がうつって腕を切り落としたのだ;などと。
また曰く:彼は、もともと僧侶で、自分の求道のために自らの肉体の一部を絶ったのだ、とか。
片腕の理由を彼自身は語らなかったので、村人の勝手な推量の話かありませんでした。
村人のなかには真実を知っていたものもいたのかもしれませんが。
数回、きれいな女性が彼の元を訪ねてきたことがあったそうですが、
それがだれで彼とどのような関係だったのかは、こどものじじいには知るすべはありませんでした。
彼は若死をしました。炭焼きのための小屋で倒れていたそうです。
その際、彼の親戚と連絡がついたのかどうか、じじいは知らないと。
『どがいな生まれの人やったんかのう。物腰のおだやかなええひとやったが。習字がうもうてのう。
その人のお墓は今もこの近くにあるんで』
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