∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part77∧∧
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604 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/07/06(月) 14:14:31.98 ID:5o7065ex0.net
怖くはありませんが、私も自分の体験を書こうと思います。
3年ほどまえの夏、私は運動不足解消の為、休日の早朝に散歩するようにしていました。
いつもはコンビニで快楽天か失楽天を買って帰るのですが、その日は気分を変えて神社に行くことにしました。
自宅前の自販機でつぶみを買い、急勾配の坂を20分くらい歩くと神社に到着。
ガタガタで歩き難い石段を登ると、御神木に寄りかかってボーッとしている少女が1人。
(浴衣? 明日祭りやったけか)
オニューの浴衣で親と散歩かと思い、周囲を見回しますが、それらしい人はいません。
(迷子じゃないよな? 誰か待ってんのか)
時刻は朝6時過ぎ、神社に少女が1人。なんとなく放っておくこともできず、一応声をかけました。
「お嬢ちゃん、ひとり?」
少女はビクリと体を震わせ、怯えた様子で私をみました。警戒させてしまったようです。
「こ、怖がらんでもええで。お兄ちゃんは○○っていうお店のもんやけど。知ってるかな? 坂下ったとこにある」
「知ってる。お酒屋さん」
605 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/07/06(月) 14:54:20.55 ID:5o7065ex0.net
どうやら家族が経営する店を知っていたようで、少し安堵した様子でした。
「お嬢ちゃん、お父さんとかお母さんは?」
と尋ねるも、少女はふるふると首を横にふるだけ。名前を聞いてもやはり答えてくれません。
困った私はため息をつきつつ、手元で遊ばせていた缶ジュースを開け、一口飲みました。
「ほしいの?」
少女の物欲しそうな視線に気付き、缶を渡しました。
気に入ったのか、少女はんぐんぐと勢い良くジュースを飲み、五分程で飲みきってしまいました。
「じゃあ、お兄ちゃん帰るわ。お家まで送ったんで」
「やや。おっちゃんと遊ぶ」
おっちゃんて私か(ビキビキッ
「でもお兄ちゃん帰らな。お腹すいたし」
「やや。遊ぶ」
少女の誘いをやんわり断りつつ、帰ろうとすると、とことこと私のあとをついてきます。
「わかったわかった。しゃーない。ちょっとだけな」
それから、30分くらい鬼ごっこや縄跳び(少女が神社のうらから持ってきた)で遊びました。
自分で言うのもアレですが、ひどい光景です。
「ほな、そろそろ帰ろか。さ、行こ」
「やや。もっともっと」
少女は私の手を払い、シャツの裾をひいて駄々をこねます。
608 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/07/06(月) 16:42:11.24 ID:5o7065ex0.net
「お家帰りたないんか?」
少女は首を横に振り、再び黙ってしまいました。
困った私はため息をつき、腹を決めて、
「お兄ちゃん帰るけど、うちでお嬢ちゃんの家調べてみるから、一旦うちくる?」
もしかしたら複雑な事情のある家かもしれないので、
地域の役員をしている父に相談しようと思い、一旦、家に連れて帰ることにしました。
少女の小さな手を優しく握りしめ、帰途につきます。
「明日のお祭り楽しみやな」
などと話していると、きゅっと少女が手を握り返しました。
そんなこんな話しているうちに自宅に到着。
「ただいま」
「おお、おかえり」
珍しく早く起きていた兄に出迎えられ、
「兄ちゃんでもいいか。この!?」
と言いかけて振り返ると、先ほどまで手を握っていたはずの少女がいません。
私が兄に事情を説明すると、
「迷い牛。それは八九寺真宵だよ」
と、兄は忍野メメのセリフで返してきました。
私が真面目に聞け、と憤慨すると、
「元気いいね。何かいいことあったのかい」
と、狙いすましたかのようにケラケラわらいました。
私は投げやり気味に、「そうだよ、いきあったんだよ」といいかえし、汗を流すため為、風呂ばにいくと、
半パンのポケットに何か入っていることに気付きました。
それは赤い実のついた植物でした。
私が出会った少女がなにかはわかりません。
すくなくとも、悪いものではないようです。
以上で私が体験した少し不思議話は終わりです。
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