∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part71∧∧
『田植えをしていた』
487 :雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM:2013/10/15(火) 19:23:14.36 ID:X/22lcU/0
友人の話。
山の棚田で田植えをしていた時、足を取られて転倒した。
体勢を持ち直そうとしたが叶わず、顔から泥に突っ込んでしまう。
次の瞬間、上空から棚田を見下ろしていたのだという。
いきなり切り替わった視点に驚いていると、真下の棚田に倒れ込んだ男が見えた。
転けた自分だった。
理由はわからないがヤバイと感じ、必死で体に戻ろうと念じていたら、視界が真っ暗になり息が出来なくなる。
顔が泥から出て、やっと自分が元の身体に戻れたことに気が付いたそうだ。
「俺ってあの時、幽体離脱でもしていたのかな?」
彼は不思議そうにそう言っていた。
『秋の山で単独行していた』
814 :雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM:2013/11/28(木) 18:39:40.55 ID:cqoM1j4y0
山仲間の話。
秋の山で単独行していた時のこと。
夜、焚き火の前に座っていると、突然猛烈な吐き気に襲われた。
とても堪らず夕食に食べた物すべて、盛大に地面の上に吐き戻してしまう。
嘔吐き終わると、吐き気は嘘のように消え去った。
大きく息を吐いて安堵していると、背後の藪から声がする。
「あ~、すっきりした」
慌てて藪の中を確認したが、そこには誰の姿も見つけられなかった。
その夜は落ち着かないまま過ごし、朝を迎えたのだという。
815 :雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM:2013/11/28(木) 18:40:38.52 ID:cqoM1j4y0
次の夜、昨晩のことを思い出しながらそこはかとなく不安になっていると。
背後で何者かの気配が沸いた。
振り返るよりも早く、背筋を電気が走り抜ける。
凄まじい快感が彼に襲い掛かったのだ。
「!!!!!」
声にならない叫びを上げて、意識がブツリと途切れる。
気が付けば、テントの前で俯せに倒れていた。
短い時間だが失神していたらしい。
しばらく立ち上がることが出来なかったそうだ。
「おれいね」
何処からかそんな声が届いたが、気にする余裕もなかったという。
「凄かった……本当に凄かった。
今も思い出そうとするだけで、色々と大変なことになりそうなんだ。
……下着とズボンを川で洗う羽目になったのは哀しかったけど」
切なそうにそう語る彼の前で、私は一体どんな顔をしていたのか。
今でもそれが気になって仕方ない。
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