∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part62∧∧
『お呼びさん』
669 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ:2012/06/24(日) 18:26:11.88 ID:QXYOu7IS0
知り合いの話。
仕事で山林の手入れをしていた時のこと。
どこからか微かな、人を呼ぶ声が聞こえてきた。
耳を澄ませると、これがどうやら彼の名を呼んでいるらしい。
「誰だろ?」返事をしようとしたが、一緒に作業をしていた先輩が止める。
「あれは、“お呼びさん”っていう輩だ。
大抵は山中で、場違いな音や声が聞こえるっていうだけの現象なんだが。
これが人の名を呼ばわる時だけは注意しなくちゃいけない。
うっかり返事をすると、連れて行かれてしまうって言われてるからな」
「・・・連れて行かれるって、何処に?」
「それは俺も知らん。興味あるなら返事してみるか?」
興味はあっても気味が悪い。
結局、お呼びさんは無視して、その日の仕事を終えたのだという。
『光るモノ』
671 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ:2012/06/24(日) 18:28:51.05 ID:QXYOu7IS0
友人の話。
バーベキューに誘われたので、参加することにした。
差し入れとして、途中のコンビニで飲み物と肴を買っていく。
会場のキャンプ場へ向かう峠道に差しかかった時。
まだ昼間だというのに、辺りが急に暗くなり、前方に何か光るモノが沸いて出た。
火の玉が幾つか、ゆらりと宙に浮かんでいる。
驚いていると、現れた時と同様、サッと火の玉は消えてしまった。
おかしなモノを見たなと思いながら、山中のキャンプ場に到着した。
皆に「途中で火の玉見たぜ」と報告すると、一人がこんなことを言う。
「あそこの峠道、昔から狐火が出るとは聞いていたが、まさか仲間で見るヤツが出るとは・・・
出会すと弁当が盗られてしまうって話だが、お前、何か失くなってない?」
慌てて荷物を確認すると、肴の類がすべて空になっていたという。
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