∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part62∧∧
『瓢箪』
515 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ:2012/06/18(月) 19:40:42.20 ID:IfW5EEax0
山仲間の話。
一人で山歩きをしていた、ある夜のこと。
尿意で目が覚めたので、テントから出て用を足すことにした。
手近な木立の中に入ったところ、何やら多くの影がぶら下がっている。
ライトを向けてみると、それは大小様々な瓢箪だった。
しかも数が半端ない。光が照らす範囲内はどこも瓢箪が見えているのだ。
薄気味悪く思いながらも、その場で用を済ませ、寝た。
翌朝、再び用を足しにその木立へ足を踏み入れた。
あれだけあった瓢箪は影も形も無く、ただ普通の林が広がっていたという。
記憶と違う光景に、しばし呆けていたそうだ。
『広く綺麗な淵』
516 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ:2012/06/18(月) 19:43:59.19 ID:IfW5EEax0
知り合いの話。
地元の山に仕事で入っていた時のこと。
手が空いた折、普段は足を踏み入れない方面へと分け入ってみた。
広く綺麗な淵を見つけ、休憩しようと寄ってみる。
澄んだ水を口にして一息ついていると、妙な物が目に入った。
淵の奥の方、蒼い水面に、古いが上品な屏風が一枚だけ立っていたのだ。
「一体何だありゃ?」とまじまじ見ていると、水音がして気配が湧いた。
・・・多分、何かが淵から出てきた・・・そして今、それは屏風の向こう側にいる。
急に恐ろしくなり、全速力でそこから走って逃げたのだという。
「ありゃ正体はよくわからんが、間違いなくヤバいもんだと感じた。
俺ぁもう絶対にあそこへ行く気はないね」
彼はそう言って口を固く結んだ。
次の記事:
『廃墟、廃村レポート系の個人サイト』
前の記事:
『じゃがりこと線香』