ほんのりと怖い話スレ 137
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1564090249/
198 :病院の名無しさん:2019/08/11(日) 17:19:07.53 ID:OTkB8ozl0.net
病院の怖い話と怖くない話 31.歯医者
歯医者と医者は資格が別で、歯医者は歯以外の治療をしちゃだめなんだって。
でも"歯医者競合区"みたいなところがあって、ある歯医者が患者が少なくて内科診療をこっそりしてたそう。(明らかな違法行為)
でもわりと固定客(変な言い方だ)がついてた。
なんでかと言うと、歯医者は処方箋を出さずに自前で薬を出せるんで、お客にとっては手間が省けるのでありがたかったんだと。
で、ここからが本編。
ある患者さんが急患で担ぎ込まれてきて、まあただの盲腸炎だったのですぐにオペを始めたんだけど、
メスを入れたら患者さんが悲鳴をあげたの。麻酔はかけてたのに。
後から分かった話なんだけどその患者さん、偏頭痛と不眠症を患っていて件の歯医者から薬を貰いまくってたんだって。あとアルコール中毒。
どれも使用しすぎると耐性がついてしまって、身体が通常の薬では受け付けないような状態に進化(?)するんだそうな。
過剰に薬に依存するのはやめましょう。
あ、ちなみに手術がどうなったかは彼女は話してくれなかった。
199 :病院の名無しさん:2019/08/11(日) 17:19:45.01 ID:OTkB8ozl0.net
病院の怖い話と怖くない話 32.自販機
その病院の入院棟には自販機があるんだけど、なぜかお茶にしろジュースにしろ紙パックかカップタイプのしかない。
なんでペットボトルないんだろうって昔先輩に聞いたらしい。
先輩は、少し困った顔で「ペットボトルって透明なやつが多いでしょ」「その…液体を通すと見える事があるのよね。なんでか分からないけど」
200 :病院の名無しさん:2019/08/11(日) 17:20:15.89 ID:OTkB8ozl0.net
病院の怖い話と怖くない話 病院の怖い話と怖くない話 33.待合室
ある日、待合室のソファーで比較的若い患者さんが横になって荒い呼吸をしている。
気にはなっていたんだけれども待合室には大量のジジババが居て、順番は順番なんで2時間くらい放置せざるを得なかった。
(むしろ小さい病院の方がそういう場合には融通をきかすらしい)
で、ようやく順番が回って来て耳元で名前を呼んだら
「あ、俺死んだんじゃなかったんだ」
結果はかなり危ない状態の肺炎だったそうです。
201 :病院の名無しさん:2019/08/11(日) 17:20:49.19 ID:OTkB8ozl0.net
病院の怖い話と怖くない話 34.採血
採血するのはたいてい看護師の仕事。
ある患者さん、なかなか血管が見つからない。右腕も左腕も。
仕方がないので手のカバーを外して脈動を探しても見つからない。それに異様に手が冷たい。
患者さんの方が恥ずかしそうに
「あのー、いつも首から取ってもらってるんです」
見たところ極端なガリでもデブでもない。むしろアスリート体形。
首から採血なんて初めてなんで慎重に準備しながら、気紛らせに話しかけたそう。
「あの~。余計なお世話かもしれませんが、腕、診てもらったほうがいいんじゃないですか」的な
「ああ、よく言われますし自覚症状もあります」「なんていうか、血が届いていないんですね」
びっくりして「じゃあなんで動いてるんです?」
「気力で」
202 :病院の名無しさん:2019/08/11(日) 17:21:22.11 ID:OTkB8ozl0.net
病院の怖い話と怖くない話 35.出産
普通はエコー検査で定期的に状態を確認して適切な指導をするんだけど、若い子なんかはぐずぐず迷ってなかなか病院に来ない事があるのね。
で、突然体調不良を起こして救急車で運ばれて来たりする。
ある年末の頃、かなり若い女の子が運ばれて来て、既に破水してた。
普通は子供の父親か、せめて保護者が付き添って来るもんだけど誰もいない。
職務上問いただすと、
父親はいない。親もいない。って言い張るわけ。
まあたまにあるパターンだし、かなり美人だったから(風俗だろなあ)と思ってたの。
でも保険証確認すると本人のもの。つまり、嘘をついていなければ被扶養家族ではなく自立してるって事。(まあこれだけ可愛けりゃいくらでも客は付くと思うけど、せめて避妊しなよ)
あと名前が"浅野マリア"(仮名)だったので、ああ、ハーフだから美形なんだって思った。
で、色々雑務をこなしてる合間に様子を見に行ったら、お腹が平らになってる。
え!?「赤ちゃんどうしたの?」
「もう済みました」
なんだよそれ、ベッドはそれほど汚れてないし、まさかトイレでやったんか?
すぐにトイレを調べまくり、同僚にも手伝ってもらって部屋の中もフロア中のトイレを調べたんだけどそれらしい形跡がない。
本人に問いただすと
「息子は為すべきことをしに行きました」
なんだよそれ、あ、今日クリスマスか、おいおい
「想像妊娠自体珍しいけど、あんな想像妊娠見たことない」彼女は言ってました。
222 :病院の名無しさん:2019/08/12(月) 19:56:15.71 ID:bMTfGBah0.net
病院の怖い話と怖くない話 36.右腕
人間ドックで一泊してる患者さんが左手で食事してて、
ああ左利きなんだな、と思ってた。
でも細かいものを摘まむときには右手に持ち替えるんだよね。
両利きか?器用やなあ、って思って、世間話のついでにさりげなく聞いたら
「近々右手を失う予定なんで、訓練してるんです」
223 :病院の名無しさん:2019/08/12(月) 19:56:51.80 ID:bMTfGBah0.net
病院の怖い話と怖くない話 37.胎児
若い妊婦さんが早めに定期健診来てたんですね。良い事です。
で、双子だったの。
すごい喜んで、さっそく旦那と名前考えます。とか話してたの。
でも次の検診の時、片方の子が小さくなってたのね。
これは"ヴァニシングツイン現象"と言って、妊婦の栄養が二人分の胎児を育てられない時に、片方を母体が吸収してしまう現象で、本人が気づかないうちに済んでる事もあるからすごく珍しいケースでもないのね。
でもその妊婦さんすごく落ち込んじゃって
「わたしがデブじゃなかったのが悪いんだ」とか言い出すの。
いやいやそれで充分きれいだし、初産なんだからこういうことはよくあるから、みたいに必死に慰めた。
ちなみに双子(元)は姉妹だった。
それで、なんとか頑張って出産を終え、退院する時にぽつぽつと話し出した。
「二人の名前を考えていたんですが」
「はい」
「一人は"さくら"」「でも、もう一人の名前、どうしても思い出せないんですよね」
その時彼女の頭にある単語が浮かんだそうだ。
「もしかして、"もみじ"じゃないですか」
「・・・!」顔に驚きと涙が滲んだ。
彼女曰く
「私別に霊能者でもなんでもないんだけど」「後で調べたら、"もみじ"の花言葉の中に"大切な思い出"っていうのがあった」
224 :病院の名無しさん:2019/08/12(月) 19:57:45.23 ID:bMTfGBah0.net
病院の怖い話と怖くない話 38.子供を背負った見舞い客
「私別に霊能者でもなんでもないんだけど」が彼女の口癖なんだけど、それにしては変なものをよく見る。
ある時、受付で何か聞いて入院病棟に向かった男性がいた。
普通にお見舞いだと思った。
がっしりした体形で長身、髪も長髪、着てるものも高級っぽい。ひと昔言った"ちょい悪オヤジ"って感じ。
ただ、背中に子供を背負っていた。
イクメンなら全然微笑ましいんだけど、背負い紐も無しで子供はしがみついている。
あ、水子だな、と思った。
ちょっと気になったんだけど、自分の仕事もあるし関わり合いになりたくなかったし放っておいた。
でも少し気になったんでそのフロアの同僚にさりげなく聞いたら
「ああ、堕胎したらしいよ」
その半年後くらいかな、またその男性を見かけた。
なんかずいぶん髪がうすくなってた。
で、両肩に二人の子供が乗って髪をむしゃむしゃ食べてた。
225 :病院の名無しさん:2019/08/12(月) 19:58:27.25 ID:bMTfGBah0.net
病院の怖い話と怖くない話 39.晴れ患者
「あの~、なんて言っていいのか分からないんだけど、来て欲しい患者さんがいるのよ」なんじゃそれ?
「晴れ女とか雨男とかあるでしょ。それに近いのかな、その患者さんが診察に来る日はスケジュールがきっちり回ってしっかり帰れるの」
「でもその患者さん、具合が悪くならないと来てくれないの」当たり前だ。
「その患者さん、なんとかうちに入院させられらいかな」
お前は何を言ってるんだ。
226 :病院の名無しさん:2019/08/12(月) 19:58:58.40 ID:bMTfGBah0.net
病院の怖い話と怖くない話 40.ホスト2
「前のホストとは違う話なんだけど」彼女は言う。
看護師の給料なんてさして高いものではない。
けれど基本、家と職場の往復だけなんで貯まるいっぽう。
中にはネットでブランド品を買いあさったり、周りの顰蹙の目をものともせず長期休暇を取って海外旅行に行く強者もいるけど。
先輩の1人が真面目な人で、次の師長候補くらいのベテランだった。
でも、ホストクラブに嵌った。
あるホストに入れあげて入れあげて、おそらく一千万以上はつぎ込んでたんじゃないかと。
そのホストも図々しい奴で、先輩の家(一人暮らし)に入り浸って、そして病院にまで通っていた。まあ肝臓が悪いのは分かるから内科に来てたんだと思う。そこまではまあ良い。(良くないが)
そして、先輩を使って薬の横流しをさせていた。
処方箋というものは先生以外絶対に作ってはいけない。(違法行為)
でも先生から事務局に渡る際に人手を渡る。そこを利用して、処方箋の指示書をすり替えていたらしい。
民間では入手困難な薬を格安で入手し、ネットで売りさばいていたんだと。
で、そのホストに入れ込んでいた(看護師ではない)別の女が、それを薄々気付いていて、ストーカーまがいの事をして証拠を掴み警察に通報した。
これは想像だけど、その証拠をちらつかせてホスト男を自分のところに呼び戻したかったんじゃないかな。
でもイザコザして、結果的に男の手は後ろに回った。
そして簡単にゲロしてしまい、先輩まで警察のお世話になる羽目になった。まあやっていた事は明らかな犯罪行為だけど。
男の方は前科もあって実刑。先輩は執行猶予だったけど、さすがに職場に居られず退職した。
長かったけどここまでが前振り。
これは奇縁というのか、彼女(先輩の方ね)の看護師学校時代の友人がある病院に勤めていて、同窓会的な場所で久しぶりに会ったの。
その病院は警察から委託されて死体の検死とかもやってる病院で、最近お世話したご遺体の話を話していて、件のホスト男だとすぐに気づいたんだって。
「あれはカマを掘られて抵抗して、リンチにあったんだね。でもあそこまで凄惨なのは見たことない」と友人。
「たぶん先輩の恨みが何かを伝ってその場に届いたんだね」と彼女。
女の恨みは恐ろしい。
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