∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part55∧∧
260 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ:2011/06/17(金) 19:27:43.42 ID:ny0LmdRh0
私の体験した話。
高校生の時分、県大会のキャンプに参加していた時のこと。
夜になって知り合いの他校生が「蛍がいるぞ」と我が校のテントまで報せに来た。
「嘘でしょ、近くに川なんて無いじゃん」「ホントじゃって」
そんな会話を交わしている内、ならば確認しに行こうという流れになった。
連れて行かれたのは、大きな石が立っているこぢんまりとした広場だった。
石の表面には何か文字みたいなものが見えたが、磨り減っているのか読み取れない。
碑の類だろうか。そのすぐ傍に大きな樫の古木が一本だけ生えていた。
確かに、光る点が二つ、石の周りをフワフワと漂っている。
蛍にしてはかなり大きいように思えたが、大きさ以外は特に違和感もない。
「へぇこんな所でも蛍いるんだ」「大きいね、ゲンジかな?」
皆がそう感心していると、付いてきた先輩がポツリとおかしなことを言う。
「俺には、小さな人型が光りながら飛んでいるように見えるんじゃけど」
261 : 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ:2011/06/17(金) 19:28:53.07 ID:ny0LmdRh0
しかし、光体がそういう風に見えたのは、その先輩一人だけだった。
「嘘ぉ」「嘘じゃないって」
そう押し問答していると、どこかの顧問である女性教諭が通り掛かった。
「何を騒いでいるのか。さっさと寝なさい!
蛍ぅ? どこにもそんなものいないじゃないの!」
どうやら顧問の目には、光自体が見えていなかったらしい。
私たちは強制的に解散させられ、キャンプ場へ追い立てられた。
「アレは蛍じゃなくて妖精だったんだよ」
「そうだよ、心の汚れちまったオバサンには見ることが出来ないのさ」
道々そんなことを言いながら、鬱憤を晴らした私たちだった。
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