∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part54∧∧
『どーんっ!』
125 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2011/04/20(水) 20:10:41.63 ID:M9js9F/p0
知り合いの話。
彼は仕事でよく山に籠もるのだという。
ある夜、テントで休んでいると「どーんっ!」という地響きがした。
立木でも倒れたかと外を窺うと、テントのすぐ近くに赤黒い物が落ちていた。
グシャッと押し潰された、何かの小動物の死体。
まだ死んだばかりのようで、骸からは微かに湯気が昇っていた。
しかし、それを押し潰した物は何処にも見当たらなかった。
倒木など陰も形もない。
周りの森はしんと静まり返っている。
すぐに宿泊する場所を変えたのだが、夜が明けるまでまんじりとも出来なかった。
彼はその後も何度か、そんな音を聞いているそうだ。
聞く度「また何か押し潰されちゃったのかな」そう考えてしまうという。
『巣』
127 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ:2011/04/20(水) 20:14:28.62 ID:M9js9F/p0
知り合いの話。
彼は電波中継棟のメンテナンスを生業としている。
人里離れた山奥にある物が多いのだが、その中には奇妙な物件が偶にあるという。
「どうもね、中に何物かが入り込んでるんだよ。
錠が下りて閉まってるのに、開けるとムッと獣臭がする。
入ってみると、黒い毛で作られた、巣みたいな物が隅っこにあるんだ。
何かで固められてて、饐えた臭いがする代物が。
でもその中には何も居ないんだよねコレが。
何処から入り込んで、何処へ出て行ったんだろう?」
「残ってた毛を調べてもらったヤツがいたんだけどね。
数種類の動物の毛が混じっていたらしいよ。
だからやっぱり、何がその巣を作っていたのかは謎のままなんだ」
「同じ敷地内にさ、小さな祠があるんだよ。
聞いた噂じゃ、昔はその祠の中に巣が作られていたらしい。
局の建物が出来てから、いつの間にかこちらに移ってきたんだとか。
狭い祠より中継棟の方が居心地が良いのかね。
あそこも中はそんなに広くないんだけどな」
以前は巣を壊していたのだが、今はそのまま放っているのだそうだ。
「壊しているうちに、段々と邪魔にならない場所に移動しちゃって。
そうなると、何度も作り直させるのも悪い気がするし。
やっぱり共存共栄の精神だよね」
ただ、一体何と共存しているのかは、深く考えないようにしているそうだ。
次の記事:
『息子さん』
前の記事:
おーぷん2ちゃんねる まとめ2