∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part50∧∧
『山肌』
137 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2010/07/14(水) 19:40:04 ID:p8hM9b+60
昔馴染みの話。
子供の頃、山中の実家に帰省している時のこと。
早朝に外の手洗いで顔を洗っていると、裏山の方で何か大きな影が動いた。
動きを追って山を見上げると、途轍もないモノが山肌に巻き付いていた。
深緑色をした大きな蛇。
それが山を抱くようにして、とぐろを巻いていた。
ゆらゆらと揺れる頭は、彼の方でなく余所を向いていたという。
ポカンとして見上げていると、スーッと蛇の姿は薄れていき、そのまますぐに消えてしまったそうだ。
『ぺたん』
138 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2010/07/14(水) 19:41:03 ID:p8hM9b+60
友人の話。
近場の神社で夏祭りが開かれたので出掛けた。
社は小さな山の中腹にあって、涼しくて過ごし易かったそうだ。
外れの縁石に腰掛けてイカ焼きを頬張っていると、すぐ背後で物音がした。
ぺたん ぺたん ぺたん
振り向いてみたが、何処を見ても誰の姿も見えない。
柔らかい物が地面を叩くような音は、そのまま境内を渡っていき聞こえなくなった。
後日、神主の家の息子にこの話をしたところ、
「うちの氏神さんは大足だって伝わるけど、それ本当だったんだな」
と妙な感心をしていたという。
『トビコンマ』
139 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2010/07/14(水) 19:42:17 ID:p8hM9b+60
友人の話。
彼は幼年期を山中の実家で過ごしたのだが、時々不思議な体験をしたのだという。
夜寝ていると、屋敷の外より動物の鳴き声が聞こえてくることが時々あった。
ヒヒーンという馬の嘶き。天空を飛んでいるかのように、遙か高みで馬が鳴いている。
トビコンマの鳴く夜にゃ出歩くな。お空の上へ攫われんゾ。
彼を寝かし付けていた祖母は、子守歌代わりにそう話してくれたという。
今はもう、天から馬の声が聞こえることはなくなった。
空を飛びながら嘶いていたモノが、どこへ去ったのか誰にもわからない。
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