∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part48∧∧
『トレイルランニング』
163 :元登山者:2009/12/13(日) 18:34:43 ID:rw8WD6A40
友人から聞いた話です。
彼は、トレイルランニングを趣味にしています。
トレーニングとして、近所の山に走りに行くことがあるそうです。
ある日、いつものように頂上まで走って登り、駆け下りていると、後ろから同じように走る足音がします。
「同好のヤツでもいたんだろうか?」と思いつつ、走り続けていると、徐々に足音が近くなります。
「ハッ、ハッ、ハッ」と荒い息遣いまでが聞こえてくるので、
「あらら、邪魔だったのか?」と思い、道の端に寄り通り道を開けましたが、一向に抜いていく気配がありません。
しかし、息遣いはさらに近くなり、足音までも真後ろで聞こえてきました。
振り向いて確認したい気持ちになりましたが、
一向に抜いていかないのと、なんとも気味の悪い感じがしたので、下りの勢いに任せて全速力で駆け抜けました。
上り口まで100メートルの看板が見え「もう少しだ!」と思った瞬間、
ふっと背後の気配が消え、「お前、ヒトのクセに足速いな」」ボソボソっと聞こえたそうです。
「そのまま全速力でウチに帰ったよ、足がパンパンになっちまった。
今度から、山には御守りでも持っていくことにするよ」
彼はそういって渋い顔をしていました。
『祠の大掃除』
375 :元登山者:2009/12/27(日) 15:03:27 ID:Q10/IuIo0
田舎の知り合いから聞いた話です。
彼のうちは山を持っており、毎年、年末には祠の大掃除と御鏡をお供えに行くそうです。
この時期はだいたい雪が積っており、山の頂上近くにある祠からの眺めも綺麗なので、
彼はコッヘルとコンロを持って行き、大掃除後に景色を眺めながら一服いれようと考えました。
大掃除を終え、古い御鏡も取り替えて、
さて一息と湯を沸かし紅茶を作って眼下の景色を楽しんでいると、「ゴトゴト、ガタガタ」と音がします。
「ん・・・何の音だ?」とあたりを見回しても、そこは開けた山の頂上なので何もありません。
よくよく耳を澄ますと、祠の中から音がするようです。
「ああ、いけね。おすそ分け忘れてた」と気がつくと、もう一杯作ると祠にお供えしました。
しばらくはゴトゴトと音がしていましたが、そのうち静かになったそうです。
帰るときにカップを回収しようとしましたが、湯気の立つカップの中身があきらかに減っていたそうです。
一杯まで入れていた紅茶が半分くらいに減っていました。
「ああ、まだ飲んでるのか?」と思った彼は、カップをそのままにして下山しました。
「猫舌の神様ってのもいるんかの?」と暢気な彼は笑っていました。
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