∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part47∧∧
『松茸泥棒』
631 :元登山者:2009/10/25(日) 19:10:33 ID:CJA5Rkzz0
田舎の友人から聞いた話です。
彼のうちでは椎茸や松茸を栽培しており、山を沢山持っています。
去年の秋、収穫前の松茸が盗難に遭いました。
前日に山で見たときには、何もなく結構な量があったそうですが、
翌日、収穫に行くとゴッソリともって行かれ、ほとんど残っていません。
「松茸泥棒だろうか?」と思った彼は、ローテーションを組んで、見回りに行くようにしました。
ある夜、ベースキャンプにしているテントで横になっていると、ザクッと土を踏む音がしました。
「獣か?人か?」と耳をすませていると、「ふむふむ、うんうん」と頷くような呟きが聞こえました。
「コイツだ、泥棒に違いない」と思った彼は、懐中電灯と棒切れを持ってテントから出ると、
「おらあ!何しよんじゃい!」と怒鳴りつけながら、灯りを向けました。
懐中電灯の明かりの向こうには、1メートル以上はある大きな猿がいました。
その猿は手に何本か松茸を持っていたそうです。
猿はまぶしそうに手を眼前に交わしていましたが、「チッ、見つかったか」と言うと夜の山に入っていったそうです。
「絶対にあの猿は喋ったからな!はっきり聞いたんだ!」
彼はそう力説していました。
『足跡』
819 :元登山者:2009/11/22(日) 18:15:16 ID:NVak+ldI0
田舎の友人から聞いた話。
彼が小学生の頃の話です。
夕方から急に冷え込んで、日が落ちてからは雪がちらちらとしてきました。
「このまま降ったら明日は雪が積もるかな」と思いつつ就寝。
翌朝、日課となっている新聞を取りに出ると、雪が積もっていました。
玄関から郵便受けまでツッカケをサクサクと言わせながら歩き、新聞を取りました。
目の前の田んぼには一面に雪が積もって真っ白になっています。
「ああ、きれいだな」と眺めていると、山沿いにある田の真ん中にポツポツと足跡が見えました。
「動物だろうかな?」と思い、良く見るとかなり大きいです。
「熊じゃないだろうな?」思っていましたが、人のような感じの足跡で、しかも右足の跡しかありません。
「うわ!えらいものを見てしもうた!」と思った彼は急いで帰りました。
玄関に入ると、彼の祖父がいました。
「じいちゃん、さっきな畑に・・・」と見たものを話すと、
祖父は「ああ、たたら様じゃの、気にするな」何でもないように言ったそうです。
「まあ、今となっては思い出だけどね。
でも、うちの田舎って色々、昔話の類が多かったよな。たたら様とかも、その内に入るんかな?」
と今は古典教師になった彼は言っていました。
『落葉』
921 :元登山者:2009/11/29(日) 17:08:21 ID:oHtSCg0c0
田舎で同級生から聞いた話です。
彼は中学のとき自転車通学をしていました。
ある晩秋の朝、いつも通っている道に落ち葉が降り積もっていました。
朝露でぬれていたため滑りやすく、少しでも下手にハンドルを切るとズルっと滑って、なんどかこけそうになったそうです。
しかし、その感覚が楽しく、彼はなんどもスピードに乗った状態でブレーキをかけたりして遊んでいました。
何度目かの時、ついに滑ってコケてしましました。
派手に転倒し、「イテテ・・」と起き上がった彼が自転車を起こしていると、
「クスクス」「なさけないなあ・・」と笑い声のようなのが聞こえます。
「誰かいるのか?」と聞き耳を立てていると、声は地面から聞こえます。
よく耳を澄ますと、落ち葉がしゃべっているようです。
気味が悪くなった彼は、再び自転車にまたがると全速力で逃げたそうです。
その日の帰り道、同じ道を通ってみたそうですが、あれだけあった落ち葉が一枚も無くなっていたそうです。
気味が悪くなった彼は、また、全速力で走り抜けたそうです。
「葉っぱが一枚もなかったときの方がゾクっとしたけどね」
そういって笑っていました。
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