∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part46∧∧
253 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/08/19(水) 20:44:45 ID:k+DmDYFl0
アメリカ人旅行者に聞いた話。
「僕の叔父さんは木樵をしていたけど、時々おかしなコトがあったっていうんだ。
木を切り倒す時には『倒れるぞー!』って下の方に向かって叫ぶらしいんだけど、
これが誰もいない筈の上方から聞こえてくることがあるんだって。
声に続いてミシミシドーンッて、木が倒れる音が響いてくる。
慌てて頭を抱えて逃げ出すんだけど、何処からも倒れてくる木なんてない。
目をパチクリさせてる叔父さんが、一人森の中に立ち竦んでいるだけ」
「でも、『どうせまやかしだろ』って無視するのも拙いんだって。
そんな時に限って、本当に倒れてくる木があるんだとか。
『誰の仕業かわからないけど、木樵が慌てふためくのが見たい輩なんだろう』
叔父さんはそう言ってたよ」
「でも叔父さん、その山での仕事は好きだったって言ってたな。何でだろ?」
彼はそう言って不思議そうな顔をしていた。
254 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/08/19(水) 20:45:35 ID:k+DmDYFl0
ブラジルからの留学生に聞いた話。
「私の住んでいたのは山中の小さな村でした。
夜になるとですね、奥の方から音が聞こえてくるんですよ。
コーン、コーンっていう、木を切り倒そうとする音が」
「度胸のある人がいて、ある夜確認しに山に入ったんです。
でもその男の人、夜が明けても帰ってこない。
村の男が総出で探したところ、森の中で死んでいたんですよ。
外傷とかが見当たらなくて、心臓発作だろうということになったんですが。
それからも何人か、夜の山に音を追って入ったのですが、その皆がことごとく亡くなってしまって・・・」
「騒ぎになっていると、長老の一人が古い言い伝えを口にしたんです。
夜中に森で音を立てているのは、地獄の住人だって。
あれは木を切る音なんかじゃなくて、地獄に通じる穴の蓋を開け閉めしている音なのだそうです。
そんな時山に入って、運悪く見つかってしまった者は、ついでに地獄へ連れて行かれてしまうのだとか」
「本当なのかどうかは誰もわかりませんが、
あの音を聞き続けて身体を損なった村人も出て来て、悪いモノだという認識は確定しました。
それ以来、誰も夜遅く山には入る者はいなくなったんですよ。
今でも時々、あの音は聞こえているそうです」
彼はそう言うと、嫌々をするように首を振った。
255 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2009/08/19(水) 20:46:40 ID:k+DmDYFl0
ロシア人のビジネスマンに聞いた話。
「私の先祖は森林の中で仕事していたらしいんですがね。
まぁ場所で言えば山の中になるんでしょうが、日本の山とは大部赴きが違いますな。
日本の自然は小作りです。これはこれで美しいですね。
木樵もしていたらしいですが、主には黒貂を狩って毛皮を獲っていたとか」
「で、家に伝わる話なんですが、奇妙なものがありまして。
一日の仕事を終え、皆で火を囲んでいると、コーン、コーンと音が聞こえてくる。
誰だこんな夜中に木を切ってるのは?って探してみても、音の主が見つかることは絶対になかったそうで。
その音が聞こえた翌朝は、決まって皆が気味の悪い思いをしたといいます」
「宿営地に残されている荷物が、朝になると一人分多いのだとか。
他の皆の物と同じように、かなり使い古された荷物が。
しかし面子を確認すると誰一人として欠けてはいない。
仕方ないので皆で分けて処分していたそうですが、その荷物って一体誰の物だったのでしょうね?」
彼はそう言って笑っていた。
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