∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part45∧∧
966 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ:2009/08/08(土) 19:38:37 ID:ZVpl/jDz0
知り合いの話。
彼はかつて漢方薬の買い付けの為、中国の奥地に入り込んでいたことがあるという。
その時に何度か不思議なことを見聞きしたらしい。
「○○って呼ばれてる虫がいるんですよ。
ある地域の山奥に生息している、どうってことない小さな甲虫です。
古来より、これを使用する外法があるのだとか。
そこより遙かに離れた省の、やっぱり山奥に生えている△△って草を与えるんです。
本来は食べません。
この虫本来の食草ではありませんから。
しかし、ある特定の条件下に置いてやると、これが綺麗に食べちゃうんですって。
で、この草を食した虫の糞を、カラカラに乾かして粉に引いて、出来上がり」
「○○にも△△にも、取り立てて変わった薬効は認められていません。
毒にも薬にもならない、本当に普通の虫と草です。
でも、さっき説明したようにして作製した粉、これが・・・」
「無味無臭無色の、とんでもない猛毒になるのだとか」
967 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ:2009/08/08(土) 19:39:18 ID:ZVpl/jDz0
「まぁあくまでも伝説というか、ある地方での言い伝えです。
でも何年かに一度、この虫と草が取引されることがあるらしいのですよ。
双方とも滅多に聞かない名前なんで、覚えてたんですけどね。
もっとも、本当にその虫や草を指しているのかどうかは不明なんですけど。
呼び方っていうか名前は、地方によってかなり違いますから」
「本当は毒ではなくって、もっと別の効能があるんじゃないか。
そんな噂をしてた者もいたようですが、さてどうでしょう」
詳しくは調べなかったのですか?
そう尋ねる私に彼は微笑んで言った。
「危ない匂いがする事物には近よらないことですよ。それが一番」
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