∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part41∧∧
695 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ:2009/03/12(木) 00:08:24 ID:vGK7XLO90
知り合いの話。
彼はかつて漢方薬の買い付けの為、中国の奥地に入り込んでいたことがあるという。
その時に何度か不思議なことを見聞きしたらしい。
逗留した山村で人死にが出た。まだ若い男性だった。
その時に付いてくれたガイドの知り合いだというので、彼も葬儀に参列した。
僅かばかりの参列者の前で、遺体は荼毘に付された。
「何とも言えない、変な気分になりましたですよ。
遺体がですね、赤色じゃなくて、緑色や青色の炎を上げて燃えるんです。
脂の焼ける臭いに混じって、酷く鼻を刺す刺激臭も出ていましたっけ。
・・・ひょっとしたら、重金属か何かの汚染じゃなかったかと」
宿に帰ってガイドにそれとなく言うと、ガイドは変な顔をした。
笑っていないのに無理矢理笑っているかのような、どこか怖い顔。
しばらく経ってから、言葉を押し出す。
『知ってるか。
ここはね、外の人間からは○○って呼ばれてる。
誰も正しい村の名前なんかで呼んじゃいない』
696 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ:2009/03/12(木) 00:08:57 ID:vGK7XLO90
よく聞き取れず、意味もわからない。
「○○ってどういう意味なんです?」と問うてみた。
『そうだな、意訳すると“早死にする地”って意味だよ。
ここじゃ男は生きて三十歳を越えられないんだ。
女もまず長生きできない。どちらにせよ早死にさ。
どこかのお偉いさんの決定で、余所に移り住むことも禁じられている』
『前はそんなこと無かった。
ある年、ガタイの良い男たちがここに来て、奥の山で何かして行ったらしい。
何をしたかなんて誰も知らない。知ってた者は皆死んでしまった。
綺麗な色の炎を上げて。こんな風になったのはそれからだとさ』
それ以上の詳細は聞かず、早々にその村を発ったのだという。
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