∧∧山にまつわる怖い・不思議な話(避難小屋)79∧∧
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1456036738/
『じじい狩り』
492 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/10(水) 13:20:56.64 ID:RnIn+JCC0.net
石じじいのはなしです。
じじいが昔話をしてくれていたとき、唐突に言いました。
「おっちゃんは、狩られたことがあるんよ」
?と思いました。当時は、「オヤジ狩り」という言葉はなく(そのような行為はありましたが)、すぐには理解できませんでした。
じじい曰く、
「山に登っとったときにのう、銃で撃たれたんよ。あれにはまいったい」
それは単に猟師による誤射や悪戯ではないか?と思ったのですが、彼の遭遇した「狩り」は以下のものでした。
じじいが山道を歩いていたとき、突然銃声がして、近くの樹木の幹に跳弾したそうです。
兵役経験のあるじじいは、すぐにこれは銃撃だ!と気がつき身を伏せました。
すると二発目が。一発目よりも彼の近くに着弾しました。
じじいは背負っていたザックを捨て、金属のバールだけを持って、ほふく前進で低木の生い茂った道の脇を移動しました。
さすが元大日本帝国陸軍衛生兵。ほふく前進は得意です。
もといた場所から10メートルくらい離れたときに、彼の近くの地面に銃声とともに着弾しました。
射撃者はじじいの位置を知っているかのようだったと。
身の危険をひしひしと感じ、彼はどんどん進んで、そして意を決して立ち上がって山道を走り始めました。
そこに、さらに至近距離に一発銃弾が。
5分ほど全力で走って、息が上がったじじいは道路際の茂みに身を隠しました。
493 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/10(水) 13:24:18.73 ID:RnIn+JCC0.net
すると、目の前の道の上に一発着弾。
ここでじじいは、おかしい!と気がつきました。
銃撃は道の山側、山のほうから行われています。
そこには道がないのに、じじいに追いすがって、おくれることなく正確に撃ってくる。
じじいは少し死を覚悟したそうです。
そのまま彼は道から離れて山の斜面を這いながら下って、大きな樹木に身を隠しました。夜を待ったのです。
その日の夜は闇夜だったそうですが、それに乗じて彼は森のなかを這いずって山をくだりました。
「生きたここちがせんかったわい」
進んでは潜みを繰り返しながら薄明るくなってきた時に、山道にでました。
その道をおそるおそる下っていると、道の地面に銃の薬莢が散らばっていたそうです。
じじいは怖くなって、その薬莢の一つを急いで拾ってポケットにしまうと、また必死で走って里までくだりました。
それ以降は撃ってはこなかったそうです。
『仙人』
511 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/12(金) 07:41:28.05 ID:QSWW6Xqi0.net
石じじいの話です。
じじいは石探しの途中、かなり奥深い山中で「仙人」(修行者?)に出会ったそうです(笑)。
高山地帯でほとんど森が途切れるようなところの山の洞穴(自分が掘ったのかも)のなかに住んで、
衣類はボロボロだったといいます。ツタや樹木の皮などで着物を補修していたそうです。
ヒゲは伸び放題。印象に残ったのは、黒々とした長く伸びた眉毛でした。
しかし頭髪とヒゲは白髪で素足だったと。
ある程度は厳しい四国の山奥の冬を、どうやってその状態で過ごしていたのか?疑問におもったそうです。
その仙人と称する人物は地元の人間ではなく、関東大震災を経験して世の中の無常を知って仙人をこころざすようになったと言っていたそうです。
彼の言葉には四国のなまりがなく、いわゆる標準語だったとのこと。
文明的なものは、単純な刃物やロウソク、マッチなどもなく、まったく「下界」との交渉を絶っているように思えたそうです。
その人物が言うのには、仙人になるためには「腹に力を蓄える」、「頭のてっぺんから空気を吸い込む(?)」
一日中ほとんど食事をせず、摂るのは澄んだ水、菖蒲、野いちごやあんずの干したもののみということでした。
身体はがりがりに痩せていたが、力は強いようだったとのこと。
512 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/08/12(金) 07:43:13.78 ID:QSWW6Xqi0.net
彼は淡い黄色い横笛を持っていて、それをしばしば愛おしいように吹いていたそうです。
尋ねると、それは「若い生娘の足の骨だ」と言うので、じじいは仰天しました。
(なんかチベット密教<ラマ教>にでてくる話のようですね)
仙人とその「生娘」との間になんらかの関係があったような口ぶりでしたが、
それを詳しく尋ねることはしなかったし、する雰囲気でもなかったとのこと。
じじいは興味を持って、二晩その洞穴(仙人の住居)に滞在しました。
他にもいろいろなことを聞いたが、ほとんど忘れてしまったそうです。
その後、彼が別れるとき、その仙人は別に名残惜しいという態度も示さず淡淡と別れて、
去っていくじじいを一瞥たりともしなかったということです。
別れ際に、彼が自ら作ったという薬(丸薬)をくれました。
頭痛や腹痛、発熱、関節痛などのときに、それを少し削って服用すると不思議と症状が緩和されたそうです。
次の記事:
『10年スパン』
前の記事:
『田中さん』