山から石持ち帰るとヤバい
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1445320336/
77 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/11/03(火) 00:18:04.66 ID:CttYhVFx0.net
石じじいの話です。
彼は、石を求めて山奥に分け入りましたが、いろいろな者に遭遇したそうです。
その一つ。
ある日の夕方、じじいが沢を登りきって、集めた石の入っているリュックサックを背負って汗だくになって、尾根に出ました。
そこは、はげ山になっていて、丈の高い茅草が生えていたとのこと。
日もだいぶ傾いてきて、今夜は野宿だと考えていました。用意はできています。
山の斜面を吹き上ってくる風に涼しさを感じながら、あたりの眺望を見渡していると、
尾根づたいに、向こうから人がやってきます。黒っぽい。
眼の良かったじじいは、そのやってくる人物が、やせた黒衣の僧侶だと気がつきました。
どんどんこちらにやってきます。傘をかぶっていたので顔つきがわかりませんが、やせていたそうです。
「はて、このあたりには、修験者はいないし、あの坊さんはそんな山歩きの格好でもないが。
いったい、どこから来てどこへいくのだろう?こんなところは地元の者でも通らんが」
と不思議に思いました。
僧侶は、どんどんこちらに向かってきて、もう一間ほどの距離になったときに、声をかけました。
「お坊様、お坊様、どこに行きならるん?」
78 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/11/03(火) 00:19:00.72 ID:CttYhVFx0.net
僧侶は、その問いかけにはまったく反応せず、歩く速度も変えずじじいの横を通り過ぎ(じじいが道をよけたのですが)、尾根伝いに歩きさり、木立の中に消えました。
「なんと、無言の行でもなさっとるかのう?これから里に下りられても暗ろうなるが」と思ったそうです。
そのときに、おかしいな?と思ったのは、
しょっていたリュックサックが、僧侶が近づくにつれて重くなり、真横にきたときにとても重くなったとのこと。
僧侶が通り過ぎると、再び軽くなったそうです。
その後は、その僧侶に会うこともなく里に下りましたが、里でそのような僧侶はこなかったと聞きました。
じじいは、その後も石取りを続けたのですが、その数年後、秋も深まった別の山でその僧侶に出会ったそうです。
彼は、同じような衣装を着ていて、背格好も同じだったと。
見間違いではないか?とも言ったのですが、あのような場所で会う人物を忘れはしない、とじじいは言い張っていました。
それから、また数年後に、同じ僧侶にあったそうです。別の山で。同じ格好で。
このときには、心の中で「南無大師遍照金剛」と唱えたそうです。
79 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/11/03(火) 06:01:25.01 ID:j3+Xe0Xx0.net
四国だけにお大師さまか
80 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/11/03(火) 12:26:22.73 ID:CttYhVFx0.net
>>79
石じじいは、最初はその僧侶を尊いひとだと思ったそうですが、
あとで、あの人物は人間ではない。なにか、モノノケのような怪異ではないか?と考えたそうです。
そのため、三度目に遭遇したときに、魔除けのために「南無大師遍照金剛」と唱えたのだそうです。
何もしてこない者であったが、それまで、それ以後に遭遇した怪異よりも、はるかに禍々しい雰囲気を醸し出していたと。
次の記事:
『獣を喰らう石』
前の記事:
『冬が来る前に』