∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part33∧∧
『公園でギターの練習』
645 :元登山者:2007/04/28(土) 15:38:15 ID:xe9ZgjVp0
田舎の友人から聞いた話です。
彼はバンドをやっているのですが、
家で練習すると「うるさい!」といつも怒られるので、彼の家の裏山の公園で練習をするそうです。
その日も、いつものようにギターを抱えて裏山の公園に行き、ベンチに座ってギターの練習を始めました。
公園の小さな街灯の灯りで楽譜を見ながら弾いていると、「カチン、カチン」と石を叩くような音がしたそうです。
最初は、街灯に群がる虫が灯りのガラスに当たっているのかと思ったそうですが、
段々と彼の弾くギターのリズムに合ってきたので、「誰かが調子取ってるんだな」と思い、
テンポの速い曲に変え「どうだ、ついてこれるか?」と思いながら弾いていると、
その音もギターに付いて来て、仕舞いにはフラメンコ張りのテンポになりました。
しかし、石の音はリズムに乗ってついてきます。
「限界だ」と思った彼は、最後に掻き鳴らして演奏を止めると、石の音も止んだそうです。
その話を聞いたとき、私は「怖くなかったんか?」と聞くと、
「音楽が好きなやつに悪いやつはおらん」と断言しました。
『天狗が住んでいる』
670 :元登山者:2007/04/30(月) 16:37:57 ID:GiPpx5540
友人から聞いた話です。
彼の実家の近くに、天狗が住んでいると言われている山と神社があります。
その山は今でも修験道とか山伏のような格好をした人が、修行をしにくる事がたまにあるそうです。
年に一度、その神社では祭りがあり、
祭りの日には天狗が山の隠れ家から出てきて神社に泊まっていく、という言い伝えがあります。
毎年、彼は青年団として祭りを手伝っていて、その年も祭りの準備をしていました。
そのお祭りは宵の口から始まって、終わるのは夜中という祭りなので、準備は昼過ぎから始まりました。
その日は朝から曇り空で、下手をすれば雨になるかもという様な天気だったので、
彼は祭りの準備をしながら空ばかりみていました。
休憩の時、空を見上げた拍子に山の頂上が目に入りました。
その山の頂上は岩がむき出しで、人がいると見ただけで分かるそうです。
その山頂に誰かが立っていて、空に向かい扇子のようなもので扇いでいました。
671 :元登山者:2007/04/30(月) 17:03:43 ID:/Y/LE9tN0
近くにいた人に「あれ、何やってるんですかね?」と指差しても、
「あん?何もねえじゃねえか」と言われ、
「おかしいなあ」と思いつつも作業に戻りました。
準備も終わり、解散になったとき山を見上げると、まだ誰かが空を扇いでいました。
「一体、何してるんだろ?」と気になった彼は、その人影をずっと見ていたそうです。
何本かタバコを吸って、いい加減飽きたなあと思い、帰ろうと回れ右をしたところ、
「これで大丈夫」と声が聞こえたような気がしました。
辺りを見回しても誰もおらず、山を見上げても人影もいません。
とりあえず帰路につき、道々で空を見ると、雲が薄くなり少しばかり晴れ間が覗いていました。
その年の祭りは天気もよく、盛況だったそうです。
祭りの最中、一服したくなった彼は本殿の裏に回り、一服していると、
「どうじゃ、凄いじゃろう?」と上から聞こえた気がしました。
見上げると、赤い顔に長い鼻、山伏の装束のそのままの天狗が、本殿の屋根に座っていたそうです。
彼が一瞬、瞬きをすると、既にいなくなっていたそうです。
「やっぱり、天狗っているんだよ」
そういって彼は話しながら興奮していました。
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