∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part30∧∧
『山の墓地』
16 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :2006/10/14(土) 01:04:25 ID:iXunuugT0
妻の友人に聞いた話
山の墓地で草むしりをしている最中、ふと顔を上げると子供がいた。
墓石の裏から顔を半分のぞかせて、こっちをジッと見つめている。
お墓で遊んじゃダメよ と声を掛けようとして気がついた。
その墓石は、切り立った斜面に密着するように建っていて、裏に人の立ち入る隙間などない。
首を伸ばし、少し角度を変えて覗き込むと、
子供の顔は、墓石の中に引き込まれるようにスーッと消えた。
不思議に怖いという感情はなく、何故か不憫に思えたので、
その墓に小さな花を供え、静かに手を合わせた。
家に帰ってから作業用のズボンを脱ぐ際、
ポケットにクレヨンが1本入っているのに気がついた。
『足跡』
49 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :2006/10/15(日) 02:15:20 ID:xisjh7gj0
山守から聞いた話
冬の夕暮れ時、昼から降り続いた雪が止んだので、木の様子を見に山へ向かった。
林道から作業道へ入ったあたりで、薄闇を通して前方に人影が一つ見えた。
白い服を着た女性らしき後ろ姿が、けっこうな速さで山奥へと歩み入ってゆく。
眼下の雪上には、先を行く女性のものであろう足跡が一筋。
冷たい雪を踏みしめて深山へと続くそれは、どう見ても裸足だった。
急に背筋を冷たいものが這いのぼり、見回りもそうそうに家に戻ったそうだ。
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