∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part29∧∧
『煙草を吸いながら電話をしていた』
38 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :2006/09/06(水) 23:14:44 ID:HDZNrP5k0
杣人に聞いた話
一人で山に入って仕事をしていた時のこと。
煙草を吸いながら切り株に腰掛けて電話をしていた。
相手は遠く離れた山中で働いている仲間。
やはり一人で煙草休憩中。
他愛もない話に花を咲かせていると、
突然目の前にスッと白い手が現れ、持っていた煙草を払い落として視界の外に消えた。
慌てて周囲を見渡しても人の気配はない。
思わず「アレ?」と声が漏れたのと、電話から『ん?』という声が聞こえたのが同時だった。
「どうした?」
『いや、さっき目の前に手が出てさ。
煙草をパッと払い落とされたんで、見回してみたんだけど……誰もいないみたいだな』
二人が見たのは、細い女のような手。
なぜか、手首に赤い布のようなものを巻いていたそうだ。
『葉枯らし』
224 :聞いた話 ◆UeDAeOEQ0o :2006/09/18(月) 23:04:05 ID:aePXiW4n0
山守に聞いた話
木を切り倒した後、内の水分を抜くために3ヶ月ほど山に寝かせておく事がある。
「葉枯らし」という手法だが、この間に盗まれる怖れもあるので、時々見回りに行く。
ある時、葉枯らしの為に倒木を放置してある場所を見回りにいったところ、
一抱えほどもある木を4m毎に玉切りした丸太のうちの一本に、まるで獣のような毛がびっしりと生えていた。
苔の一種かと思ったが、触ってみると脂っぽく、少し獣臭い臭いが漂っている。
気味が悪くなって、残りの分を碌に見もせずに山を下った。
数日後に再び見回りに行くと、その丸太だけが影も形もなく消えていた。
周囲に足跡などは特に見当たらなかったと言う。
次の記事:
『塩まかなくちゃ』
前の記事:
『ノリで廃墟に肝試しに行った』