∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part28∧∧
『激しい音と振動で目が覚めた』
794 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/08/26(土) 20:28:28 ID:1lY7ANT40
友人の話。
夏山に入り一人テントで眠っていると、激しい音と振動で目が覚めた。
「ダカッ! ダカッ!」という地響きが、段々こちらに近づいてくる。
寝惚け眼を擦りながら、テントから顔を突き出して外を見てみた。
闇の中、何かが素晴らしい早さで向かって来ている。
慌ててライトを点灯し、向かってくる物を照らし出した。
テントの目と鼻の先を、馬の足だけが走り去っていった。
呆然とする彼を無視して、猛然と土を蹴立てながら。
翌朝テントの外には、確かに馬の蹄跡が残されていたという。
『アマゴ』
795 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/08/26(土) 20:29:03 ID:1lY7ANT40
同僚の話。
家族を連れて、山奥の峡谷へ観光に行った時のこと。
渓流を散策していると、途中で一人釣りをしている人がいた。
「何が釣れますか?」と聞くと「アマゴ狙いですよ」との返事。
彼はアマゴがどんな姿をしているのか知らなかった。
クーラーボックスの中を見ても良いと言われたので、子供と一緒に覗いてみた。
そこには見事な大きさの鰺と鰈、そして穴子と烏賊が何匹か収められていた。
鰺の口はまだパクパクと動いている。
思わず「えぇっ!?」と声を上げると、釣り師は怪訝な顔をして中を改めに来た。
自分のクーラーを覗き込んで、顎が落ちたような顔をした。
「え、なんで!?」と小さく叫んだ後、
「あ、いや、何かの間違いですよ、間違い。うん」と口にして蓋を閉める。
「そうですよね、間違いですよね」仕方なくそう返して、その場から立ち去った。
「凄いね、あの小父ちゃん」子供はそう言って顔をニコニコさせていた。
悪戯だったのかな、それにしては本人も真剣に驚いていた様子だったけど。
まぁ子供が喜んでいたので、良しとするか。
そう考えをまとめて、峡谷を後にしたそうだ。
『小高い山にある神社』
796 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/08/26(土) 20:30:00 ID:1lY7ANT40
知り合いの話。
職場近くの小高い山に、森に埋もれるようにして小さな神社があるのだという。
以前その前を通り掛かった際、社の入り口に見覚えのある後ろ姿が見えた。
間違いない、親戚の叔父さんだ。何をしているのだろう?
話し掛けようと思い、車を路肩に停めて社内に足を進めた。
あれ? 境内には誰も居なかった。声を上げて読んでみても返事もない。
首を傾げて神社を後にする。
その夜叔父に電話する用があり、ついでに「あそこで何していたの?」と聞いてみた。
「何の話だ?」叔父はその日、あの社になど行ってないという。
勘違いだろうということで話は終った。
叔父はその後、一週間もせずに急死した。
脳溢血だったらしい。
それからしばらくして、やはりその社で知り合いのお母さんを見かけた。
おかしい。あそこのお母さん、今海外旅行している筈なのに。
その三日後に、その母君の訃報を聞いた。
旅行先で事故に巻き込まれたということだ。
今、彼女はその神社の前の道は極力通らないようにしている。
「関連があるとは信じていないけど、あそこで知り合いが見えたら嫌だから」
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