∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part28∧∧
『廃屋で怪談会』
749 :本当にあった怖い名無し:2006/08/23(水) 01:03:22 ID:NtGo2qkzO
祖母は昔、相当なお転婆で、女学校時代は篭球部(バスケ)の主将を務め袴姿で張り切っていた。
そんな祖母が部の友人と怪談会を計画。
ただ話をしてもつまらないと、近所の山の麓にある廃屋で行うことにした。
しかも、親の目を盗んで夜に集まったというから驚く。参加者は4名。
件の廃屋に着くと真っ暗な家の中から話し声がした。
見つかるとまずいと思いつつ耳を澄ますと、どうも先客も怪談会をしているようだ。
『…4人は化物に食べられて…』
その声は間違いなく自分の声だった。
さすがの祖母も、この時ばかりはすぐ引き返したのだそうだ。
『小金沢山』
759 :1/2:2006/08/23(水) 15:21:17 ID:pn8dXKTb0
14日に小金沢山ってところ登りに行ったんだ。
大菩薩峠から稜線沿いに南に下った二千ちょいの山なんだけど、
何をトチ狂ったか AM 4:00から登り始めた。
月がほぼ真上にあったけど、登山道は真っ暗。LEDライトで照らしながらの登山。
クマ除けの鈴をいつもザックに付けていて、
その音と自分の靴の音だけがリン、ザッ、リン、ザッ……と聞こえる以外、なんの音もない。
しばらく枯れ沢添いに下って、鞍部に付いた所で沢のせせらぎが聞こえてきた。
鈴と靴音以外が聞こえて何となくホッとした気分になった。
そこを過ぎて登り始めてしばらくして、妙な音が後から付いてくるのに気付いた。
カツ、コツという杖をつく音が後から付いてくる。
自分も杖は持っているけど、使うのは下りの時専用で今は縮めてザックに挿してある。
では、この音は?……
立ち止まって振り返ってみたが、当然誰もいない。
そりゃこんな時間に登ってる物好きなんて、
ましてやあまり人の行かない山の登山コース、誰がいるって言うのか。
また登り始めると、やっぱり音が付いてくる。
鈴の音のリン、に一呼吸遅れてカツ、リン、カツ、リン……
760 :2/2:2006/08/23(水) 15:22:01 ID:pn8dXKTb0
そこでようやっと、お盆なんだと気が付いた。
忘れてたわけじゃないけど、それまで全く意識していなかった。
急に恐くなって、がむしゃらに登り始めた。
このコースは稜線に出るまでまだ 30分以上歩かなきゃならない。
けっこう焦っていた。
途中しんどくなって、立ち止まる。その度にカツ、の音も合わせて止む。
もう一度振り返る勇気はなかった。
気を取り直してとにかく明るい所へ……
ようやく林が切れて、稜線に出た。その直前で空も薄明るくなっていた。
真正面に小金沢山が見えて、それまでの怖さと焦る気持ちが薄らいだ。
ザックを下ろして一休み。喉を潤しながらようやく人心地付いた。
数枚風景写真を撮って、汗を拭って何となく自分の杖をザックから取り出してみた。
……不思議な事に、杖の先はちょっと泥で汚れていた。
いつも帰ってからきれいに洗って乾かしているので、泥汚れが付いているのは変なんだが。
まぁ気のせいでそのまま忘れていたのかもと思い、そこからは杖を軽く突きながら石丸峠に向かって登った。
それから先は自分の杖の音以外、変な音が付いてくる事は無くなった。
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