∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part27∧∧
『アメリカの国立公園』
84 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/07/02(日) 00:26:21 ID:e/Le23+W0
知り合いの話。
アメリカのある国立公園でトレッキングに参加した時のこと。
幾つも連なっている、急なスイッチバックの岩道を抜けた先で休憩を取った。
そこには小川が流れていて、何の気なしに近よって覗き込んでみたという。
水面に映った彼女の肩越しに、何かが一緒に水面を覗いていた。
恐らくは人の頭。目も鼻も見えない真っ黒な影の中に、白い歯だけが浮かんでいる。
まるでニヤリと笑っているように見えた。
悲鳴を上げるや影は掻き消え、彼女は後ろに尻餅を付いてしまった。
駆け寄ってきたインディアンのガイドに、しどろもどろになりながら、片言の英語で自分が見た物を説明した。
ガイドはニコリともせずにこう告げた。
「それはあなたの祖霊。あなたを護ってくれている」
それにしては、気味の悪いニヤニヤ笑いだったんですけど・・・。
こう付け加えると、ガイドはやはり表情を変えずにこう続けた。
「それは山の悪霊。しばらく身の回りに注意した方が良い」
・・・どっちなんだよっ!?
思わずそう喚きたくなったという。
ちなみにそのトレッキング中、それ以上の異変は起こらなかったらしい。
しかし、気分はどうにも冴えなかったのだそうだ。
『下山していた』
86 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/07/02(日) 00:28:10 ID:e/Le23+W0
友人の話。
日のある内に下山しようと、強引に藪漕ぎしていた時のことだ。
どこからともなく、トランペットの音が聞こえてきた。他の楽器も鳴っている。
ははぁ、さては下った所に学校があるな。
夕焼け空に微かに響く、ちょっと下手くそな楽器の音を聞いていると、
とにかく無性に郷愁を覚えた。懐かしい。
足を早めて斜面を下る。
段々と音が近くなってくる。そろそろ藪も抜けられるかな。
そんなことを考えていると、いきなりペットの音がプツッと消えた。
吹くのを止めたという感じではなく、強引に打ち切られたような印象だった。
その後、すぐに開けた場所に出た。
彼が対面したのは、既に廃校になった小さな中学校だった。
破れ放題の校舎には、当然ながら誰の姿も見えない。
呆然と見上げる彼の耳に、カァカァと烏の鳴き声だけが聞こえていた。
『(^~^)』
87 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/07/02(日) 00:29:38 ID:e/Le23+W0
私の体験した話。
仕事の現調が終り、日暮れ間近の峠をトボトボ歩いている時のこと。
薄暗くなり始めた山の中に、ピリリリッという電子音が鳴り響いた。
メールかと携帯を取り出す。未読が一件、件名はない。
開いてみると、本文が一行だけ。
『今、後ろ歩いてるよ!(^~^)』
鳥肌が立った。慌てて振り向いたが、暗い峠には誰も居ない。
誰か知らないがメルアド間違えやがったな。そう思うことにした。
速攻でメールボックスから削除する・・・最後の顔文字に一寸だけムカついた。
操作しながら気が付いてしまった。携帯の画面上部に“圏外”の文字がある。
何かの間違いだろうと納得し、足早に歩き出す。
峠下に停めた車に辿り着くまで、同じ文面のメールが合計四通入ってきた。
それからしばらくの間、仕事でその峠に行くのが少し鬱だった。
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