∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part25∧∧
636 :330:2006/04/10(月) 13:24:41 ID:d2AKNhaD0
『名人失格?』
山仕事をしていると、マムシを見つけることがある(特に水場付近)。
普通の人だと逃げるだろうが、山の人達には小銭に見えるらしく取って来る。
土産品などを売っているところで5千円~で引き取ってくれるからだ。
あるマムシ取りの名人?曰く、テクニックがあるらしい。
聞くとこによれば、まず見つけたら首に巻いてるタオルでヘビの気を引き、タオルを咬ませる。
そして咬んだ瞬間にタオルを思いっきり引くと、牙が折れて安全になるという。
それを聞いた友人が釣りの帰りにマムシを見つけ、果敢に挑戦したという。
「うまくいった?」と聞いた私に、「あれはうそだ!」と言った。
「どうして?」と尋ねると、苦笑いしながら、
「タオルを咬んだまではいいんだが、引っ張ったらヘビごと飛んで来たよ!」
その光景が見えるようで、腹を抱えて笑った。
ちなみにマムシはタオルごと捨ててきたと言っていた。
639 :330:2006/04/10(月) 13:53:01 ID:d2AKNhaD0
『チャレンジャー』
きのこ採りに数人で出かけた。その中の一人が「穴場を見つけた!」と誘ったからだ。
行ったもののお目当てのきのこが少なく、怪しげなきのこがたくさん生えている。
その中でも「ボク食べたら死にますよ~!」的にベニテングダケが生えていた。
誰かが悪魔のささやきを言った・・・「毒キノコってうまいらしいよね」
自称きのこ博士のやつが「それ少量ならだいじょうぶだよ、うまいよ」・・・一瞬の沈黙。
みんなの目が「食ってみっか!」に輝いていた。
早々採った一本に酒をかけ「ホイル焼き」の出来上がり。しょう油を少々。
縦に裂けるので少しずつ分けて食べてみた・・・
「うまいんじゃね!?これ!」「いける!いける!」賞賛の嵐。
もう一口食べようとした友人に、自称博士がボソッと言った。
「あ、その二口目が命とりね」
そいつの口からポタッときのこが落ちた。
640 :330:2006/04/10(月) 14:36:31 ID:d2AKNhaD0
『凍りつく』
秋の山間の川原で「いも煮会」が行われた。
ワイワイとみんなで鍋を食べる。自然の中で食べるとうまいものだ。
遅れて見知らぬ家族が来て、すぐ近くで火を起こし始めた。
少し風があるので川原の石で火を囲もうとしている。
横目で見ながら酒を飲み、バカ話に華を咲かせていた。
するといきなり後ろから「ケケケケケッ!」と異様な大きな笑い声が聞こえた。
一瞬みんな凍りつく・・・「妖怪!?」って思える声。
振り向くと見知らぬおばさん(家族の一人)が中腰で後ろ向きにかがんで立っている。
家族のおじさんが駆け寄って行った・・・キツネ憑き?
こちらも数人で動かないおばさんに寄っていった・・・「どうかしましたか?」
ぎっくり腰だった・・・あまりの痛さに笑ってしまったらしい。
手を貸して車まで連れて行ってあげ、帰っていった・・・
「あまりに痛いと人って笑うんだね」「いやあせったね~」「お化けかと思った」
人事ながら笑い話で酒がすすんだ。
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