∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part24∧∧
『小さな地蔵』
826 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/02/20(月) 23:16:34 ID:vPMdCFSv0
先輩の話。
岩登りに出かけた時のこと。
途中の峠道に、苔生した小さな地蔵があった。
普段はまったく信心深くない彼が、なぜかその時は拝んでみる気になったのだという。
手を合わせ山行の安全をお願いし、ポケットにあったキャラメルを三個ばかりお供えしてその場所を後にした。
馴染みの岩場で油断があったのかどうか。
彼は岩登りの最中、不覚にも滑落してしまい、結構な距離を落ちてしまった。
激しく頭と身体を打ちつけたのだが、どういうことか痛くも痒くも何ともない。
大怪我をしていても不思議はない状況だったのに。
帰り道、ふと思いついてあの地蔵をもう一度見に行った。
地蔵の頭は、まるで硬い物で殴られたかのように、綺麗に欠けていたという。
『辺り一面が赤』
828 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/02/20(月) 23:19:48 ID:vPMdCFSv0
友人の話。
里山の麓にテントを張り、一泊した時のこと。
朝方、外に這い出した彼は目を見張った。
自分のテントを囲むように、辺り一面が赤い色に覆われている。
旗だ。一メートルほどの竹竿に、赤く細長い布が結ばれていた。
見渡す限りの山裾が、赤黒く染められたように見える。
数え切れない赤旗がはためく中を早々に下山した。
できるだけ旗に目をやらないようにしながら。
後に聞いたところ、昔あの斜面の外れには火葬場、そして葬斂場(そうれんば)と呼ばれる建物があったという。
葬斂場というのは、死者を荼毘に付する前にお経や線香を上げるための場所らしい。
火葬場は一つだけだったが、葬斂場の小屋は結構な数がその斜面に立っていた。
今はすべて朽ち果て崩れ、何も残ってはいない。
あの赤旗と何か関係があるのかは不明だ。
彼曰く、これ以上詳しく調べる気は無いという。
『橋の下に棄てた』
830 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/02/20(月) 23:21:23 ID:vPMdCFSv0
友人の話。
幼少の頃、久しぶりに里帰りした時のこと。
彼の里は山深い村で、野山を遊び駆けるのがとても楽しみだったという。
近所の子供たちと一緒に虫取りをしていると、小川にかかった橋があった。
木造の、本当に小さな手作りの橋。
ゲンゴロウでもいるかなと、橋の下に降りようとしたところ、皆が引き止めた。
「去年、○○ん家の爺ちゃんがあの橋の下に鬼を棄てたから、近よっちゃ駄目だ」
鬼だって?と聞き直すと、真面目な顔で全員が頷いた。
皆の顔を見ていると疑う気にもなれず、慌ててその場から這い上がったという。
子供心に怖かったのか、その後も橋の近くで遊んだという記憶はないそうだ。
「何だったんだろうなアレって。
○○家の者って、オニスジとか陰口を叩かれていたけど、関係あったのかな」
怖い話はないかという私の問いに、思い出し思い出し彼は語ってくれた。
「あー、ちっとも怖くなくて悪いけどな」
そういう話が良いのさ。そう答えて礼を述べた。
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