∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part24∧∧
『山奥の寺に宿泊した』
407 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/01/16(月) 19:36:35 ID:otduFRv+0
同級生の話。
高校生の時、部活の合宿で山奥の寺に宿泊したのだという。
参加したのは七名で、皆一緒に大広間に寝泊まりしていた。
異変が起こったのは合宿最終日の夜だった。
夜半過ぎ、ふと目を覚ました彼は驚いた。
彼が寝ていたのは広間ではなく、庭に面した広縁だったのだ。
身体中が蚊に食われまくっていた。痒さで目が覚めたらしい。
てっきり悪戯だと思い怒りながら広間に戻った彼は、再び驚くことになる。
そこで寝ていた筈の仲間が、一人残らず寝具ごと消えていた。
大慌てで深夜の寺院中を探し回ったという。
ほどなく皆、無事に見つかった。
一人一人てんでバラバラな場所に、布団を敷いて眠っていた。
目が覚めた仲間は何が起こったのかわからず、皆一様にあんぐり開けていた。
その後は夜が明けるまで、ろくに眠れなかったそうだ。
翌朝、起き出してきた寺の者に報告したところ、
「ああ、よくあることですよ。別に心配要りません」
とさらっと流されたという。
『カバケ』
408 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/01/16(月) 19:38:19 ID:otduFRv+0
知り合いの話。
山仲間と一緒に湿原を歩いていた時のこと。
遠くの方から「おーい」と呼ばわる声がした。
陰々と甲高いその声は、聞いていてひどく気味が悪かったという。
まるで人でないものが人の真似をしているような、そんな奇妙な感じがした。
どこから呼んでいるんだろう?
そう思ってキョロキョロ辺りを見回す彼に向かって、仲間が忠告した。
「反応するな。あれはカバケの声だろう。
呼ばれて行くと、沼に嵌まるっていう話だぞ」
カバケとは河童化けが訛った名称らしく、人を水に引きずり込む類いの妖怪なのだという。
毎年、麓の川で上がる水死体の何人かは、こいつにやられたのではないか。
そう地元では噂していたそうだ。
二人揃って声を無視することにした。
湿原を抜けてからも声は彼らを追ってきたが、やがて聞こえなくなったという。
『妙に太い竹』
409 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2006/01/16(月) 19:40:16 ID:otduFRv+0
同僚の話。
持ち山で竹を切っている時のこと。
一本だけ、妙に太い竹に出くわした。
普通の竹の倍はあったらしい。
大きさに躊躇いながらも鉈を入れると、節から盛大に水が吹き出した。
どこにこれだけの水が収まっていたのか、不思議になるくらいの量だった。
竹薮一面が水溜まりとなり、その日の作業はそこで打ち切って退散する。
翌日、家に昔からある井戸が枯れてしまったという。
「あの竹と何か関係があったのかなぁ?」
水道工事の段取りをしながら、彼はそう不思議そうに首を傾げていた。
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