∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part24∧∧
『盛り塩』
186 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/12/29(木) 12:52:14 ID:vMvMUqeS0
先輩の話。
春先に一人で山中を縦走していた時のこと。
夜分そろそろ休もうとしている頃、テントの周りで気配が湧いた。
何度も外を窺ったが、明かりの届く範囲には何も見えない。
それでも誰かに見られているような嫌な感じは消えなかった。
ふと思いついて、魔除け代わりに塩を盛ることにした。
と言っても別に詳しい知識がある訳でもなく、ほんの遊び心からだったという。
塩入れを取り出すとテントの入口に小さな山を作り、眠りについた。
夜中、ふと目が覚めた。
温い風を頬に感じたのだ。少し生臭い。
明りを点けて見てみたが、テントの中も外の闇の中にも、何も見受けられない。
不気味に思ったが眠かったこともあり、気にせず続けて寝てしまった。
朝目を覚ますと昨晩のことを思い出し、早速塩山を確認した。
テントの入り口、記憶にある白い山はどこにもない。
灰色の薄く潰れた物体があるだけ。
盛り塩はぐずぐずに溶けて崩れていたのだ。
彼はしばらく呆けたように、その塩の残骸を見つめていたそうだ。
効果が有ったのか無かったのか、それ以降変わったことは起こらなかった。
『携帯電話の電波』
187 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/12/29(木) 12:53:06 ID:vMvMUqeS0
知り合いの話。
人里からずっと離れた山の中でただ一ヶ所、携帯電話の電波が受信できる森があるという。
そこを通る登山者は割と多く、噂を聞いている者は大抵それを試してみる。
深い山奥で圏外の筈なのに、確かに外部と会話が出来るのだそうだ。
そして、まずほとんどの者は二度とは試さない。
変な唸り声や笑い声が混線してくるからなのだという。
『どんっ!』
188 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/12/29(木) 12:56:49 ID:vMvMUqeS0
友人の話。
一人でふらり紅葉を見に行った帰り道。
既に日は沈み始めており、山深い峠道は闇が濃さを増していた。
ゆっくり車を走らせていると、突然の衝撃音。
どんっ!
車の屋根が音を立てて揺れる。頭の真上がひどく撓んだのがわかった。
慌てて路肩に緊急停車し、降りてルーフを確認する。
何も乗ってはおらず、何かが落ちてきた痕跡もない。
訝しく思いながらも再び運転を開始した。
少し進むと、また「どんっ!」ときた。
今度は車を停めなかった。
結局、その峠を下りきるまで十数回、怪しい音は車体を揺らし続けたという。
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