∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part24∧∧
『ミサキ』
114 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/12/26(月) 00:37:59 ID:pH0vvhn30
知り合いの話。
彼の実家は深い山奥にあるのだが、そこでは墓の管理に気を使っていたという。
一つの区画に入れる仏さんは六人まで。それ以上の仏さんは別の区画に移される。
例え同じ家族で死者が出たとしても、七人目は同じ敷地には埋葬されないのだ。
棚田状に細く区切られた墓は、なんとも彼の目に奇妙に映った。
墓の管理をしていた叔父さんに、なぜこういう決まりがあるのかを聞いてみると、
次のように小声で教えてくれた。
仏さんをな、七人以上一緒にすると惑うてミサキになるんだ。
ミサキとは、その地方でいう荒神とか祟り神のことなのだそうだ。
現在、村は近くの町と合併し、古い墓地も開発に伴い移転した。
七人以上は一緒にしないという条件は、既に守られてはいないだろう。
今現在、仏がミサキになっているのかどうか、もう誰にもわからない。
『アトイさん』
115 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/12/26(月) 00:42:09 ID:pH0vvhn30
友人の話。
アトイさんと呼ばれるものが出る山道が、彼の高校の通学路にあったという。
日が暮れてからそこを通ると、
ヒタヒタ、ヒタヒタと、まるで裸足で歩いているような足音だけが、すぐ後ろから着いてくるのだと。
アトイとは“後追い”が訛ったんだろう、と学生たちは考えていた。
ある夕暮れ時、怖がりの女学生が運悪く追いかけられた。
その女学生、走って逃げようとしたせいか、慌てて荷物を落としてしまった。
どうしよう?戻って拾った方がいいかな?
焦って振り向くと、丁度落とした荷物の辺りで「ズシャァ!」と大きな音がした。
目には見えないがどうやらアトイさん、荷物に躓いてこけたらしい。
静寂が辺りを覆ったが、やがていつもの足音がヒタヒタと聞こえ、来た道をゆっくり引き返していったという。
その後しばらく、アトイさんは姿?を見せなかった。
口さがない学生たちは皆、「バツが悪かったんだろうな」と噂したそうだ。
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