∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part23∧∧
『普段は日中しか通らない獣道』
596 :本当にあった怖い名無し:2005/11/20(日) 09:54:21 ID:HVB6oQVC0
爺様に聞いた話
畑仕事を終えた夕暮れ時、はやく帰ろうと普段は日中しか通らない獣道みたいなところを歩いていると、
道脇に妙なものがいたそうだ。
それは下手くそな人型の粘土細工のような姿をしており、何をするでもなくボンヤリと立っていたそうだ。
爺様が担いでいた鍬をソイツに向かって突きつけ、「なにもんだっ!!」と一喝したところ、
そいつは急に輪郭を崩し、ドサドサドサッとその場に崩れてしまった。
近づいてみると、そこにはこんもりと腐葉土の小山が出来ており、その所々から獣の骨が覗いていたそうな。
「山で死んだ獣が、腐れ堕ちた肉の代わりに、
その辺のモンをかき集めて纏っていたんだろうな」
とは爺様の談。
何故人型なのか、いったい何のために現れたかのかはわからんそうな。
『通ります』
602 :本当にあった怖い名無し:2005/11/20(日) 11:39:42 ID:HVB6oQVC0
爺様の話
山で草取りをしていると、背後から肩をトントンと叩かれ、
「ぬし様が通りますので、ちょっと失礼」と何者かに話しかけられた。
途端、草刈りのために屈んだ姿勢のまま、体が動かなくなったそうな。
瞬きもできないまま、しばらく待っていると、
爺様の背後を何か巨大なものが、その身をズルズルと引きずりながら通り過ぎていったそうだ。
恐ろしくて生きた心地もしなかったが、ズルズルという音が聞こえなくなった辺りで、
再び何者かに「ご迷惑をおかけしました」と耳元で囁かれ、
その瞬間、爺様は盛大に小便を漏らして気絶したそうな。
気が付くと、時間はさほど経っておらず、日もまだ充分高かったが、
夕暮れまで仕事をする気になれない爺様は、荷物を纏めて早々に家路に着いたそうだ。
途中、今まで草刈りをしていた山肌をふり返って見たが 、
巨大な何かが通ったような痕跡は見つけることができなかったと言う。
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