∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part23∧∧
『芋泥棒』
374 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/11/10(木) 18:55:53 ID:I27I86ss0
友人の話。
子供会のキャンプで、食事当番になった時のこと。
カレーを作るために野菜を煮込んでいると、知り合いの奥さんから言われた。
ここの森には芋泥棒が出るから、鍋には注意しててね。
何ですかそれ?と聞き返すと困ったような顔になり、とにかく鍋の側から離れ
なければいいから、と繰り返し言われたという。
あまり真剣に受け止めなかった彼女は、キャンプファイヤーの薪組立に興味を
引かれ、灰汁取りが終わると少し火の側を離れてしまった。
鍋の前に戻ってき、そろそろルーを入れようかと蓋を取る。
中を覗き込んで違和感を覚えた。しばし経ってやっと気が付く。
芋や玉葱など野菜の類いが、根こそぎ失くなっていた。
皆に怒られながら、芋泥棒という名の意味や、知り合いの説明に困った顔の
意味がやっと理解できたそうだ。
物足りないカレーを食べながら、どこかひどく悔しかったという。
『カーン』
492 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2005/11/14(月) 21:50:43 ID:HO54GAN10
友人の話。
夕暮れの山道を一人で歩いていた時のこと。
上の方からカーンという音がして、道の少し先に空き缶が転がってきた。
誰かが蹴り飛ばしたんだなと考えたが、蹴った主の姿は一向に見えない。
怪訝に思いながらも缶の横を通り過ぎた。
五十メートルも歩いただろうか。
背後より再びカーンという音が響く。
驚き振り返ったが、既に空き缶は視界に入らなくなっていた。
しばらくして、またカーンと聞こえた。誰が蹴っている?
立ちすくむ彼を無視するように、音は段々麓の方へ下って行ったという。
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